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娘のアトピーが、健康に関心を持ったきっかけだった
「お前と手を繋ぎたくない」と言われた私がアトピーを治した話【その1】
「お前と手を繋ぎたくない」と言われた私がアトピーを治した話【その2】
「お前と手を繋ぎたくない」と言われた私がアトピーを治した話【その3】
帰国後の生活
留学で大きく体調を壊した私は、前にも増して食生活に気をつけるようになりました。
というか、肉や乳製品をほとんど受け付けず、味覚も繊細になっていたので、ほとんど味付けをしていないものしか食べられませんでした。
けれど、家族の支えもあり、栄養のあるものをたっぷり食べたおかげで、体重も戻り、精神的にも回復しました。
相変わらず食べ物の嗜好だけは、すっかり変わってしまいました。
肉、脂もの、味の濃いものは好まず、温野菜や果物を好みます。
友人と外食ができないほど、好き嫌いが多かったです。
すると、アトピーが治まっていることに気がついたのです。
じゃんけんでパーが出せないほどのアカギレは消え、「普通の手」がそこにありました。
それだけではありません。
一週間は平気で出ないこともあるほどのひどい便秘と、そのあとの下痢を繰り返していた症状が、和らいできたのです。
からだの調子が悪い時だけではなく、健康な時でもこういう食事を摂る方がいいんだ、と実感した瞬間でした。
あれから五年
中高、そして大学生活の前半に忘れかけていた自分の体のことを思い出した「留学」から五年。
あの経験は、私のこころとからだに大きな影響を与えました。
元に戻るまでに時間はかかりましたが、今は生理も規則正しく来ていますし、体調も留学前よりよくなっています。
帰国してからもずっと飲み続けていたプラセンタサプリが、無関係ではないと認めざるを得ませんでした。
あれほど猜疑的だったのに……
だんだんと好き嫌いを克服し、今では好みの差はあれどほとんど何でも食べられます。
いくら体にいいものを食べるほうがいいとはいえ、家族と同じものを食べられない、友達と外食もできない、というのはつらかったですから。
そしてやはり、外食、コンビニ商品が続くと、アトピーが出ます。
家で料理、掃除を含む家事を毎日していると、手がかさかさし、切れたりします。
それでいいんだ、と私は思っています。
だって……
アトピーは撃退すべき「病気」ではない
私は、アトピーが嫌いでした。
アトピーに侵された自分のからだも。
でも、この五年のあいだに考え方が変わりました。
「健康」というのは、若い時には手放しで手に入るもので、年とともに否応なく奪われていくものと考えられがちです。
でも、自分のからだは、歳を重ねるのと併走して、メンテナンスしていくものではないでしょうか。
アトピーを治したいから、ステロイドで抑えて「はい、終わり」。
痩せたいから、三ヶ月で8キロダイエットして「はい、終わり」。
健康診断の一ヶ月前の間だけ健康的な食事をして「はい、終わり」。
そうではない、と思うのです。
一生健康管理をしなければならない、と思うと大変に感じますが、
替えの効かない自分のからだを、死ぬその瞬間までできるだけ楽に生活ができる状態にしておくために、日々少しだけ気をつけてあげるのです。
車が長持ちするように、雨ざらしにしない、油をさしてやる。それと同じことです。
現代社会は、からだに悪いものを避けて生きるのは難しいです。
アトピーは撃退すべき「病気」ではなく、からだに悪い物を教えてくれる信号なのだと思います。
一緒に生きていくことで、健康的な暮らしができるのです。
そう思うと、荒れてアカギレが出ることで教えてくれる自分のからだが可愛らしく思えてきませんか?
「ああ、昨日コンビニのパン三つも食べちゃったもんね。ごめんごめん」
「わ、クイックルワイ●ーのシートってお肌に悪いのね」
こんな具合に。
余談ですが、私は肉体的にも精神的にもかなり敏感な方だと思います。
ですが、敏感さはセンサーだと思って、現代社会でより心身ともに健康的に生きるための目印としています。
アトピーのおかげで健康。
一見矛盾しているようですが、私はこれ、結構真理をついてるのではないかと思っています。
→次回は最終回「私なりのステロイドとの上手な付き合い方」
(ライター:陽月深尋)
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