日本人の死亡原因1位とされている「がん(悪性新生物)」。
免疫力が落ちる高齢者ほど発症しやすいため、少子高齢化が進めばがんになる人が増え、がんで死亡する人もますます増加すると懸念されています。
健康寿命を全うするためには、がんにならないことが大切です。今回は、「がん」が発生するまでの流れを説明させていただきます。
目次
「がん」になるまで
がんは遺伝子のエラーが蓄積したものとされていますが、それはステージのひとつに過ぎません。発がんには、生活習慣が大きく影響しています。
中村仁信『放射線と発がん』(公益財団法人大阪癌研究会、2011年)によると、発がんには以下の過程があると考えられています。
●発がんのきっかけは悪い生活習慣
悪い生活習慣(放射線被曝、運動、紫外線、食品、ストレス、タバコ、酒、炎症)が重なると、活性酸素がたくさんつくられます。
しかし、人間の体には「生体防御機能群」があり、その中のひとつである「抗酸化機能」で活性酸素を消そうとします。
●活性酸素が蓄積
「抗酸化機能」によって、活性酸素を消すことができないと、活性酸素が蓄積されます。そして、DNA(遺伝子)が損傷。
生体防御機能群は「DNA損傷修復機能」で防御しようとしますが、その力が及ばないと正常細胞が突然変異してがん化してしまうのです。
●細胞自爆(アポトーシス)で癌化細胞を排除
がん細胞発生には10数個の蓄積が必要なため、がん化した細胞を「細胞自爆(アポトーシス)」でなくし、食い止めようとしますが、細胞自爆が追い付かなくなるとがん細胞が発生してしまいます。
●がん細胞発生
発生したがん細胞を「免疫細胞」で処理しようとしますが、太刀打ちできなくなるといよいよ発がんに至ります。
発がんを予防するには、生体防御機能を高めることが大切
このように、発がんするまでにはいくつかのステージがあり、発がんを予防するには、生体防御機能を高めることが大切と考えられています。
遺伝子の異常は悪い現象ではありますが、正常細胞と癌細胞を見分けるための手掛かりになります。
そのことを踏まえ、医療業界では遺伝子異常を調べる研究が進んでいます。遺伝子検査を活用すれば、がんの早期発見が期待できます。
※遺伝子検査についてはこちらの記事をご覧ください。
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