インフルエンザやノロウイルス……感染症といえば「冬」のイメージを持っている人が多いのではないでしょうか?
しかし、夏にも注意しなければならない感染症があります。
たとえば、O157やデング熱などです。
これらは、冬よりも夏に発症リスクが高まるとされています。
今回は、プラセンタ特別講演会で紹介された「感染症」についてお伝えします。
感染経路や予防法なども紹介しますので、ぜひ健康管理にお役立てください。
感染経路はさまざま。蚊が原因で亡くなるケースも……
感染症がうつる仕組みには、空気感染や接触感染や飛沫感染などが挙げられますが、動物や昆虫から感染するケースもあります。
では、人間にとって最も危険な生き物は何なのでしょうか?
1年間で人間に危害を与えた生き物の一覧データを見ると次のようなことが分かりました。
- サメが原因とされる死亡者は、世界で約10人
- ライオンが原因とされる死亡者は、世界で約100人
- 蛇が原因とされる死亡者は、世界で約50,000人
- 人間が原因とされる死亡者は、世界で約475,000人
- 蚊が原因とされる死亡者は、世界で約725,000人
これは、蚊を媒介して感染した病気が原因で亡くなる人が非常に多いということを示しています。
ウエストナイルウイルスやジカウイルスやデング熱なども、感染している人間の血液を吸った蚊からうつる病気です。
蚊は、人間の命を脅かす存在になる場合があります。
夏は、蚊と接触する機会が増える時期でもあるため、外出の際には特に気をつけなくてはなりません。
病原菌の種類と特徴
感染させるための病原菌は、「原虫」「カビ(真核生物)」「細菌(原核生物)」「ウイルス」に分けられます。
これらは、非常に小さいため、電子顕微鏡などを使わなければ見ることはできません。
人への感染方法はそれぞれ異なり、原虫は蚊を媒介にするほか経口感染などでうつり、カビと細菌は、自己増殖するという点でコントロールすることが難しいのが特徴です。
一方、ウイルスは単独で増えることができず、細胞の中で感染して増殖を始めます。
具体的にいえば、マラリアは原虫感染、カンジダはカビ感染、O157は細菌感染、インフルエンザや肝炎はウイルス感染に当たります。
感染症の治療薬はない!?
病原菌についての研究が進み、感染方法が分かっていても、感染症に対する決定的な治療法はないといいます。
原虫に対しては、抗原虫剤がないため直接的に撲滅することはできませんし、カビに対しても、最近になって抗真菌薬が少し開発されてきた程度です。
細菌には、抗生物質で対応することができますが、すぐに耐性菌ができるため万全な状況とはいえません。
また、ウイルスに対してはワクチンがあるものの、インフルエンザなど型によって効き目が一定ではないことが指摘されています。
このように、まだまだ医療技術が感染症に追いついていないといえるでしょう。
感染症成立の三大要因は、「病原菌」「感染経路」「感受性宿主(宿主の免疫力)」です。
しかし、病原菌を排除したいからといって、無菌状態にすることはできませんし、感染経路を断つことも難しいとされています。
空気感染や接触感染や飛沫感染に加え、生き物によってうつるケースがあるなど、感染経路は多岐に渡るため、感染症を防ぐのは困難です。
さらに、個人の免疫力が影響するため、小さいお子様や年配の人など抵抗力の低い人は一層注意が必要といわれています。
自分の体は、自分で守ろう!
感染するかしないかの差は、免疫力にあるといわれています。
免疫には、「自然免疫」と「獲得免疫」があり、過剰に免疫が働いてしまうと、正常な箇所にも攻撃をしすぎてしまうため、バランスよく免疫力が備わっていなければなりません。
感染症の予防方法には、手洗い、歯磨き、うがい、飛沫エチケット、静養、加湿、換気、予防接種、バランスの良い食事、過度な薬依存に注意する、喫煙しない、雑踏を避ける、などがあります。
感染症を予防するためには、こういった地道なことを積み重ねるしかないのが現状で、自己防衛力や免疫力を高めて強い人になることが重要なのです。
肉眼で見えない病原菌に立ち向かうのは難しいことですが、自分の免疫力を高めることが予防に繋がります。
しっかりと体調管理をして、素敵な夏をお過ごしくださいね。
(ライター:南條祐弥)