これまで、私のアトピー遍歴をお話してきました。
最終回の今回は、「私なりのステロイドとの付き合い方」をお話しようと思います。
以下の記事も併せてご覧ください。
娘のアトピーが、健康に関心を持ったきっかけだった
「お前と手を繋ぎたくない」と言われた私がアトピーを治した話【その1】
「お前と手を繋ぎたくない」と言われた私がアトピーを治した話【その2】
「お前と手を繋ぎたくない」と言われた私がアトピーを治した話【その3】
「お前と手を繋ぎたくない」と言われた私がアトピーを治した話【その4】
目次
抜けられないアリ地獄的「ステロイド」
小さい頃からアトピーのひどかった私は、ごく自然な流れで「ステロイド」デビューを果たすことになりました。
まだあまりアトピー、薬の副作用、その他の健康の知識のない母もそれには疑問を感じませんでした。
そして、ステロイドは知識のない人間にとっては、まさに「特効薬」だったのです。
夜中じゅう泣きわめいて痛がり、かゆがっていた症状が、一時的にでも治まります。
アカギレも、ふさがります。
当然、ステロイドを手放せない生活になりました。
ステロイドの副作用
今ではあまりにも有名ですが、ステロイドには副作用があります。
当時、直接目に見える症状としては、「皮膚が薄くなる」「指紋がなくなる」「皮膚が黒ずんでくる」などがありました。
(今でも右手の指紋はほとんどなく、スウェーデン、アメリカの入国時は私だけ左指で指紋を取られました。笑)
いずれもアトピーの苦しみに比べれば取るに足りないと思っていましたが、やはり無視できるものではありませんでした。
そして、アトピーと直接関係がないと思っていた症状も、副作用だった可能性があったのです。
ムーンフェイス
満月様顔貌(ムーンフェイス)と呼ばれ、顔がぱんぱんにむくむ症状があります。
食欲旺盛な子どもではありましたが、ステロイドの副作用も無関係ではなかったように思います。
感染症のリスク増大
子どもは免疫力が低いから感染症にかかりやすい、とは言いますが、当時の私は感染症の覇者と言ってもいいくらいでした。
水疱瘡やインフルエンザなどの代表的なものはもちろん、プール施設に遊びに行くと必ず翌日熱を出しました。
そして、一番治療が辛かったのが中耳炎。
延々と続く治療に、子どもながらにうんざりしたものです。
軽い精神障害
もともとの性格もありますが、とにかくよく癇癪を起こす子どもでした。
副作用としては軽度だそうなので、あまり気にしていませんでした。
ステロイドをやめた
母親が勉強してくれ、やはりステロイドには頼りすぎてはいけないという結論に至りました。
そこで、思い切ってステロイドをやめてみたのです。
やめてすぐの頃は、抑えこまれていたアトピーが暴れだして大変でした。
荒れた手は治らず、包帯生活に逆戻り。
「薬がほしい!」と泣きわめいたり、
「かゆい! 掻きたい!」と、掻くと悪化してしまう肌を激しく叩いたりしていました。
それでも、母親がずっと夜中そばにいてくれ、ステロイドではない薬を優しく塗り続けてくれました。
慣れてしまったステロイドをやめる。
この時期がいちばんつらかったです。
伝家の宝刀としてのステロイド
そして今、私は伝家の宝刀としてステロイドを使っています。
(※伝家の宝刀とは、家に代々伝わる刀のことで、転じて「いざというときにだけ使う手段」という意味で用いられます。)
ステロイドは、人魚が人間になる代わりに声を奪われるようなもの。
いい面と悪い面があることを理解し、それでも頼りたい時に頼っています。
うっかり外食が続いたり、家事のしすぎ、季節の変わり目などでどうしようもなく肌が荒れてしまった時は、皮膚科の扉をたたき、少しだけステロイドをもらいます。
そこで一気に治し、あとはまたいつもの生活に戻ります。
ステロイドも、主作用と副作用をきちんと理解し、うまく付き合っていけば怖いものではないのです。
私ができるだけ気をつけていることは、特別なことではありません。
食べるものに気をつける
何も、全てオーガニック食品を口にしているわけではありません。
ただ、食材はいい水でしっかり洗い、なるべく家で調理したものを食べる。
そして、お菓子ではなくご飯でお腹いっぱいにする。
アトピーじゃなくても、普通に気をつけたほうがいいことですよね。
ストレスをかけない
ストレスもまた、アトピーを悪化させます。
なので、自分のこころが疲れているな、と思ったら、無理せず休みます。
アトピーだったり、その他の体調不良だったり、からだのほうが「疲れているよ」と教えてくれるのでありがたいです。
肌のケアをする
肌のケア、と言っても、世間の美意識の高い女性がしているものとは違うと思います。
私は、ほとんどの化粧品が肌にしみるし、ファンデーションも肌が荒れるのでできません。
日焼け止めも、赤ちゃん用のものしかつけられません。
でも、年齢のわりに肌がきれいだと言われます。
もしかしたら、変に肌をこねくり回していないので、逆にいいのかもしれません。
私がしていることは2つ。
1,ハンドクリームをこまめに塗る
これだけです。
あとは日々の生活習慣。
一気に薬で治すよりも、日々少しずつメンテナンスしたほうが、からだへの負担も少ないですね。
(ライター:陽月深尋)