ふたつに分かれた受精卵から生まれ、同じDNA(遺伝子)を持つ「一卵性双生児」。DNAが同じなら能力も同じと思われがちですが、そうではありません。
実際には能力差のある双子がたくさん存在しています。
その理由には、DNAでは説明できないメカニズムが関係しているといいます。
今回は、プラセンタ特別講演会でも紹介された「一卵性双生児の能力差」についてお伝えいたします。
能力が劣っていても、努力次第で才能が開花する可能性あり
一卵性双生児は、たとえ能力に差があるように見えても、同じ遺伝子が備わっていると考えられています。
そのため、現在の能力に差があったとしても、何かのきっかけで眠っている遺伝子が目覚めたり、潜在的な能力が覚醒したりする可能性は大いにあります。
しかし、DNAが同じであっても、生活習慣によって見た目年齢や健康状態に差が現れるといいます。
その原因はさまざまですが、喫煙や紫外線などが影響しているというデータが出ており、科学的にも証明されています。
DNAでは説明がつかない「エピジェネティクス」
健康状態を左右するのは、遺伝的要因が3割、後天的要因が7割とされており、生き様次第で人生は変わってくるといいます。
遺伝子が同じでもまったく同じ人間になることはできないのです。
このように、遺伝子だけでは説明がつかないことが「エピジェネティクス」といいます。
人間の中には30億もの遺伝子がありますが、遺伝子として働いているのは21787個しかありません。
また、人間の遺伝子の70%程度は、ウニと同じとされています。
このことからも、遺伝子だけでは説明がつかないといえるのではないでしょうか。
努力次第で良い遺伝子が発現し、怠けていると良い遺伝子は蓋でふさがれて悪い遺伝子が発現します。
能力を開花させるためには、何もかもを遺伝子のせいにするのではなく、努力を怠らないことが重要なのです。
子育てにおいても、子ども自身が努力したくなるような環境を作ることが大切でしょう。
(ライター:南條祐弥)