「アンチエイジングの研究」「疲労度セルフチェック」【団克昭プラセンタ研究レポート31】

講演会

団 克昭博士の講演会が東京で開催されました。
講演会では、プラセンタの研究成果の発表に留まらず、自分の疲労度を測るセルフチェックの時間も設けられていました。

病気の予防やアンチエイジングに繋がる情報が盛りだくさんな講演会の内容をレポートにしましたので、ぜひご覧ください。

テーマ『病気にならない体づくり~予防医学の重要性~』
一般社団法人国際毛髪抗加齢医学学会・一般社団法人国際抗加齢免疫医学学会
理事長 団 克昭 博士 特別講演会
受講場所:ホテルニューオオタニ
受講期間:平成29年1月10日(13:00から15:00)

アンチエイジングの研究

団 克昭博士が理事長を務める一般社団法人国際抗加齢免疫医学学会と一般社団法人国際毛髪抗加齢医学学会では、「抗加齢(アンチエイジング)」をテーマに研究を進めています。
そして、研究を進めるにあたり、百寿者からの学びを通して、「老化(エイジング)」とはどういうことなのかを科学的に捉えてきました。
100歳以上長生きした人の中で、世界一長生きした117歳の日本人女性がいました。彼女は、80歳で骨折したものの、スクワットで回復したという元気溢れる人でした。

このように、人間には再生能力があり、120歳まで生きられることは科学的に証明されていることなのです。
今後、健康で長生きができるということを実証していきたいと考えています。

動物の世界でも長生きする生き物がいます。それは「ハダカデバネズミ」です。ハダカデバネズミは、普通のマウスの10倍も生きるうえに癌(がん)にもかからない動物として注目を浴びています。しかも、28年間の寿命の中、老化することもありません。
ハダカデバネズミのメカニズムが分かれば、癌(がん)にならない仕組みなども明らかになるのではと期待されています。

また、ハダカデバネズミの他に注目されているのが「べにくらげ」です。べにくらげは不老不死の動物といわれており、iPS細胞のように再生できるメカニズムを持っていると考えられています。

老化のメカニズム

認知症
慶応義塾大学医学部には、「百寿総合研究センター」があり、老化のメカニズムについての研究が進められています。
老化は「慢性炎症(自覚症状はないが、全身性の炎症反応)」であると定義されおり、老化の原因として、次の3つがあげられています。それは、「肥満」「免疫機能の効率が低下」「細胞老化」です。

●肥満

メタボリックシンドロームになると、内臓脂肪が溜まります。そのため、TNF-αの分泌が上昇し血液に流れ、三大疾病の原因になるとされています。

●免疫機能の効率が低下

免疫機能が加齢とともに衰えるのは仕方ありませんが、「効率」が低下することが問題です。悪い生活習慣を送っていると、免疫能力自体が低下しますが、効率も低下することが分かってきています。

効率が低下すると、免疫が低くなったと感じた体が免疫を補おうとして抵抗しますが、体の中で免疫反応が過剰反応され、正常な臓器にまで免疫反応が起こってしまう恐れがあるのです。

免疫機能の効率が低下すると、自己免疫疾患になってしまうと考えられています。

●細胞老化

正常細胞は4週間周期で生まれ変わっています。そして、細胞分裂を1回する度に「テロメア(遺伝子のしっぽのようなもの)」が切れていきます。細胞分裂する度にテロメアは短くなるのですが、ある一定の長さまでいくとそれ以上短くならず、細胞分裂しなくなります。

細胞分裂がされなくなると、細胞が入れ替わることなく、古い細胞のみになってしまうので老化の原因とされているのです。実際に、100歳以上生きた人のテロメアは短くなりにくいことがわかっています。しかし、長生きするのは正常細胞だけではありません。実は癌(がん)細胞もテロメアが短くなりにくい細胞と考えられているのです。
癌(がん)細胞が増え続けるのは、癌(がん)細胞が短くなったテロメアを伸ばす酵素を持っているからだといいます。老化と癌(がん)化という側面を把握して研究を進めることが重要といえるでしょう。

本来人間は120歳まで生きられるはずですが、病気や事故で全うできないことが多いのが現状です。この現状を良い方向に導くためには、病気になってからではなく、予防の段階から、健康を維持するための対策が大切なのです。今回は、発症予防の中で「エクソソーム」「エピジェネティクス」「腸管免疫系抗加齢」「毛乳頭幹細胞」を紹介します。

エクソソームの研究

循環
細胞から分泌される粒子として「エクソソーム」に注目が集まっています。エクソソームは、ほとんどの細胞から分泌される直径40~150nm(ナノメートル)程度の膜小胞のことです。エクソソームの内外にはさまざまな分子が含まれていることが分かっています。

エクソソームは体のどの細胞の中にも存在するといわれています。部位特異性があるかもしれませんが、血液、リンパ液など体液全部にエクソソームが存在するのです。そのため、唾液からでもエクソソームを集められるなど、研究材料を収集しやすいという利点があります。
しかし、体内のどこにでも存在するということは、癌(がん)細胞にもエクソソームが存在することを意味しています。癌(がん)細胞から放出されたエクソソームには、癌(がん)特有の物質が含まれていると考えられています。

上皮細胞は、さまざまな悪い刺激を受けると反応し、悪い刺激を受け続けると悪化します。本来、上皮細胞は接着因子でしっかりと繋がっているため、膜が崩れることはありませんが、癌(がん)化すると性質が変わってしまいます。上皮細胞が間葉系の細胞に変わるため、動きやすい性質になってしまうのです。
そして、動きやすくなると転移に繋がります。転移のパターンには、「血行性転移」「リンパ行性転移」「腹膜播種」の3つが考えられています。

●癌(がん)の転移先

最初に患った癌(がん)によって、次はどこに転移するかのパターンがあることが分かっています。たとえば、眼内黒点腫、膵臓癌(がん)、大腸癌(がん)は肝臓に転移しやすい、骨肉腫は肺に転移しやすい、乳癌(がん)は肺・肝臓・脳・骨に転移しやすい、などのパターンが挙げられます。

正常なマウスに肺転移性乳癌(がん)細胞(肺に転移する性質を持つ乳癌(がん)細胞)から培養したエクソソームを打ち込む実験を行いました。また、同様に肝転移性乳癌(がん)細胞(肝臓に転移する性質を持つ乳癌(がん)細胞)から培養したエクソソームを打ち込む実験も行いました。
そして、それぞれの24時間後の経過を比較したところ、肺転移性乳癌(がん)細胞のエクソソームは肺に集まり、肝転移性乳癌(がん)細胞のエクソソームは肝臓に集まっていることが分かってきました。エクソソームは性質によって、どこから放出されどこへ向かっていくのかが決まっているのです。

さらに、正常マウスに肺転移性乳癌(がん)細胞のエクソソームを植え、3週間後に骨転移性乳癌(がん)細胞を植えつける実験を行いました。その結果、骨転移性乳癌(がん)細胞を植えつけているにも関わらず、骨ではなく肺に転移しました。このことから、先に植え付けたエクソソームの影響で肺に転移したと考えられます。
つまり、癌(がん)は自らが転移先を考えているのではなく、エクソソームの指示で転移先を決めているということです。おおもとの指令は癌(がん)細胞が出していると思われますが、エクソソームの影響は大きいと考えられるでしょう。

乳癌(がん)患者の癌(がん)が肺に転移したかどうかを分類したうえで、エクソソームの表面に出る分子を調べたところ、エクソソームに発現する接着因子であるインテグリン(ITG)について動きが見られました。
肺に転移した人はITGβ4の数値が高く、膵臓癌(がん)が肝臓に転移した人はITGαVβ5の数値が高いという結果が出たのです。

この結果を活かせば、血液や尿から採取したエクソソームの表面にこれらの分子が見られたとき、肺や肝臓に転移するのではないか? という推測ができると期待されています。

また、メラノーマに関しては、ステージ3以上になるとヒートショックプロテインがエクソソームの中に増えてくると論文でも発表されています。エクソソームを採取して、その中にヒートショックプロテインがたくさん見られる場合、メラノーマの危険性を予測できるかもしれません。

●エクソソームの研究が病気の治療に繋がる

癌(がん)細胞についての研究をいくつか紹介しましたが、エクソソームについての研究が進んだのは割と最近のことです。エクソソームを悪いものと思う人もいるかもしれませんが、エクソソームの研究が進むことで良い成果も出つつあります。

若いマウスと年老いたマウスの血管を繋ぎ、お互いの血液を循環させる実験を行ったところ、年老いたマウスの血管が若返るという結果が出ました。そして、年老いたマウスの認知機能や脳血管の加齢を制御できたのです。この現象に、エクソソームが関わっているのではないかと考えられています。エクソソームは使い方次第で癌(がん)治療やアンチエイジングに繋がるのです。

遺伝子では説明がつかないエピジェネティクス

双子
一卵性双生児は、ふたつに分かれた受精卵から生まれてくるためDNA(遺伝子)が同じです。たとえ能力に差があるように見える双子でも、同じ遺伝子が備わっていると考えることができます。そのため、現在は能力に差があったとしても、何かのきっかけで眠っていた遺伝子が目覚めたり、潜在的な能力が覚醒したりする可能性は大いにあるのです。

しかし、DNAが同じにもかかわらず、生活習慣によって見た目年齢や健康状態が異なってくるといいます。その原因はさまざまですが、喫煙や紫外線などが影響しているというデータが出ており、科学的にも証明されています。
健康状態の原因は、遺伝的要因が3割、後天的要因が7割とされており、生き様次第で人生は変わってくるのです。このように、遺伝子だけでは説明がつかないことを「エピジェネティクス」といいます。

人間の体には、遺伝子から命令が発され、酵素が作られて働くという流れがあります。しかし、遺伝子が同じでもまったく同じ人間にはなりません。努力次第で良い遺伝子が発現し、怠けていると良い遺伝子は蓋でふさがれて悪い遺伝子が発現します。遺伝子分析の研究が進み、天才と凡人の遺伝子は0.1%しか違わないとさえいわれるようになりました。

人間の中には30億もの遺伝子がありますが、遺伝子として働いているのは21787個しかありません。また、人間の遺伝子は、ウニと70%も同じとされています。このことからも、遺伝子だけでは人間の体の説明がつかないといえるのではないでしょうか。そのため、何もかもを遺伝子のせいにするのではなく、努力を怠らないことが重要なのです。

エモリー大学では、マウスに電気ショックを与える行為とチェリーの臭いを嗅がせる行為を同時に行う実験をしました。マウスにチェリーの臭いがしたら、ビリビリとした電気の感覚を受けることを学習させるのです。その結果、そのマウスから生まれてきた子どもたちも、チェリーの臭いだけで恐怖心を抱くことが分かりました。これは、チェリーの臭いと電気ショックの関連性が遺伝子に刷り込まれていたということです。
この実験を通して、祖先の後天的な性質も遺伝子と一緒に伝わることが明らかになりました。これは遺伝子の配列だけでは説明できないことのひとつです。しかし、DNAのメチル化やヒストンの収縮化という化学反応は、発生箇所と疾患に関連性があるといわれています。この研究が進めば予防医学に応用できるとされ、研究が続けられています。

腸管免疫系抗加齢

腸管免疫
プラセンタには、腸内細菌の善玉菌と悪玉菌のバランスを整える働きがあるというデータが出ています。そして、研究ではそれぞれの腸内細菌の働きが分かってきました。腸には壁があり、底に免疫系の反応が深く関わっている「パイエル板」というものがあります。
テレビコマーシャルなどで「乳酸菌が生きて腸まで届く」といった表現を聞いたことがあるかもしれませんが、たとえ腸に乳酸菌が届いたとしても、パイエル板で吸収されているかは分からないという考え方もあり、確実とは言えないのが現状だそうです。こういった状況を踏まえて、腸で吸収される乳酸菌の開発が進められています。

毛乳頭幹細胞

頭髪の再生
人間の毛髪は加齢とともにツヤが失われていきます。毛髪は、ケラチン(蛋白質)で作られており、毛髪三大栄養素としてタンパク質とビタミン、亜鉛が挙げられます。亜鉛が欠けると、髪は構成されないため、亜鉛は大変重要な成分です。

また、加齢が原因で薄毛になるメカニズムも分かってきました。毛乳頭幹細胞の老化に「17型コラーゲン」と「HSP47(コラーゲン専用のHSP)」が深く関わっていることを突き止めたのです。17型コラーゲンを保護するためにHSP47(コラーゲン専用のHSP)を作ればよいと考えられているため、HSP47を誘導することが、17型コラーゲンの保護作用になるのかを実験しました。
その結果、毛乳頭幹細胞を取り出し培養して増やしたところ、ヌードマウスに毛髪を生やすことに成功しました。毛乳頭幹細胞を培養すると、そこから沢山の成長因子が出てくると分かっているので、それをヘアローションに加えることができれば、将来オーダーメイドのローションを作ることができると考えています。

疲労度セルフチェック

がんセルフチェック
「疲労大国日本」と呼ばれる日本は、大人だけでなく子供も疲れているといわれています。事実、日常生活で疲れているかどうかを調査するために、3000人(日本人)に対し「疲労度アンケート」を実施したところ、82.6%が「疲れている」と回答しました。どの部分が疲れているかという質問には、眼(62.7%)肩(57.8%)に疲れを感じる人が多く、なかには全身が疲れていると回答した人もいました。
その原因は、VDT作業(ディスプレイ、キーボード等を用いる作業)にあると考えられています。パソコン作業、残業、接客応対などが疲労に繋がっているとされているのです。また、「役職別疲労度」に着目したところ、中間管理職の人が疲労を感じやすいというデータが出ました。

疲労は、体の注意信号である「三大生体アラーム(発熱、痛み、疲労)」のひとつです。人間は疲れてくると刺激に対する反応が遅くなったり、反応しなくなったりします。そして、思考力が低下し注意力が散漫になっていき、行動量が低下します。さらに重篤になると自律神経に異常が起こるため注意が必要です。
ただし、同じ作業量であっても、強制的にさせられている作業と、やりがいを感じている作業では、疲労の感じ方が異なります。遣り甲斐や面白みを感じながら行った場合、脳が麻痺して前頭葉に疲労伝達物質が伝わらず疲労を感じにくくなるのです。しかし、疲れを感じないことはメリットばかりではありません。こういったメカニズムが、過労死の原因のひとつであるとも考えられているからです。

また、疲労度アンケートで、6カ月以上疲労を感じている人が3割弱も存在することが明らかになりました。疲労には、「生理的な疲労」と「病的な疲労」があります。疲れても休んだりリフレッシュしたりすれば回復する生理的な疲労に対し、休養しても疲れがとれないのが病的な疲労とされています。

そこで、前回に行った癌(がん)のセルフチェック表に続き、今回は疲労に関するセルフチェック表を用意しました。身体的疲労と精神的疲労のカテゴリーをチェックしていきます。
それぞれの項目に「全くない(0点)、少しある(1点)、まあまあ(2点)、かなりある(3点)、非常に強い(4点)」の5段階で回答し、自分の疲労度を考えるきっかけにしていただければと思います。

身体的疲労

Q1.微熱がある。

Q2.疲れた感じがする。だるい感じがする。

Q3.一晩寝ても疲れがとれない。

Q4.ちょっとした運動や作業でもすごく疲れる。

Q5.筋肉痛がある。

Q6.この頃、体に力が入らない。

Q7.リンパ節が腫れている。

Q8.頭痛、頭重感がある。

Q9.喉に痛みを感じる。

Q10.関節が痛む。

精神的疲労

Q11.よく眠れない。

Q12.憂鬱な気分になる。

Q13.自分の体調に不安がある。

Q14.働く意欲が起きない。

Q15.ちょっとしたことが思い出せない。

Q16.眩しくて目がくらむことがある。

Q17.ぼーっとしていることがある。

Q18.思考力が低下している。

Q19.集中力が低下している。

Q20.どうしても寝すぎてしまう。

<セルフチェック結果>
上記のチェック項目だけで、病気の診断をできるわけではありませんが、こういったチェックシートを活用することで、疲労に対して意識を高めることができると考えております。
結果を踏まえて、自分の体をより理解するためにお役立てください。

<男性>
・0点~16点:安全ゾーン(疲れがあまりなさそうです。現状維持を心がけましょう。)
・17点~22点:要注意ソーン(少し疲れが見られます。)
・23点~80点:危険ゾーン(かなり疲れが溜まっているようです。長く続くようなら医師に相談しましょう。)

<女性>
・0点~19点:安全ゾーン(疲れがあまりなさそうです。現状維持を心がけましょう。)
・20点~28点:要注意ゾーン(少し疲れが見られます。)
・29点~80点:危険ゾーン(かなり疲れが溜まっているようです。長く続くようなら医師に相談しましょう。)

※これは予防医学の意識向上のために行っている啓蒙活動です。診断などではございませんので、予めご了承ください。

疲労のメカニズム

未病の百貨店
「生理的な疲労」と「病的な疲労」の中間くらいの程度とされている「慢性疲労」。働きすぎなどにより通常の疲労を「急性疲労」といいますが、「亜急性疲労」の段階に進むと、疲労がとれにくくなるとされおり、疲労している期間が長くなったり、疲労回復に時間がかかったりします。
慢性疲労は、回復することなく継続的に疲労が続いてしまう状態です。疲労が蓄積し、疲労度が高まってしまうと危険とされており、日本人の3000万人以上が慢性疲労であるというデータがあります。

疲労のメカニズムには、神経細胞、筋肉細胞、免疫細胞が関わっています。特に免疫細胞の働きが重要で、免疫能力を高めることが疲労回復に繋がるとされています。通常の疲労は休養で回復しますが、疲労が蓄積したままの場合、「慢性疲労症候群(CFS:Chronic Fatigue Syndrome)」という病気になってしまいます。
慢性疲労症候群になると原因不明の倦怠感、微熱、頭痛、筋肉痛、思考力の低下などの症状が現れます。研究を進めると、「TGF-β」という物質が疲労に関係していることが分かってきました。水の中で泳がせて疲れたマウスの脳脊髄液を使って、まだ疲れていないマウスに注入する実験を行ったところ、まだ疲れていないマウスが動きを止めてしまうという実験結果が出たのです。TGF-βは、毛髪の分野において脱毛に関わるとされており、体や毛髪に影響を与える物質とされています。

以前は「乳酸」が疲労に関係しているとされていましたが、研究が進むにつれて、乳酸は疲労原因物質ではないということが明らかになりました。確かに、マウスに激しい運動をさせると乳酸値が上がり、運動を止めさせると乳酸値は下がります。しかし、乳酸は運動を助けるためのものであると分かってきました。
運動したときに必要なエネルギー源に糖を消費しますが、激しい運動の場合は糖だけでは足りないため、乳酸が作られてエネルギーとして使われます。そのため、運動すると乳酸値が上がるのです。乳酸値が高いと疲れが溜まっているとされてきましたが、乳酸を正常なマウスに投与しても、マウスが動きを止めることはありません。このことからも、乳酸が疲労物質ではないとされています。

また、日焼けの際には、紫外線に対する防御作用が働いて皮膚がメラニンを作らせます。しかし、眼からも紫外線が入り脳に伝わり、疲労に影響を与えるといわれています。疲労には活性酸素が深く関わっているため、活性酸素を除去する抗酸化物質が重要です。ストレスにさらされ、活性酸素を除去せずにいると、生活習慣病を主体とした病気に繋がるため、疲労回復において、抗酸化物質や活性酸素消去酵素などで活性酸素を除去することが大切といえるでしょう。

睡眠障害と疲労

不眠
日中は交感神経が高まり、副交感神経が抑えられていますが、夜になると交感神経と副交感神経が逆転するのが正常の状態です。しかし、病気などを患っている人の中には、常に交感神経が高く興奮状態が続く人がいます。夜も興奮状態が続くため、朝起きても疲れが残っているような感覚がするのです。

さらに、スマートフォンのブルーライトは、眠気を誘うホルモンであるメラトニンの分泌を阻害して、体内時計をくるわせると考えられています。そのため、睡眠をとるべき時間にメラトニンが分泌されず、目覚めるべき朝の時間にメラトニンが遅れて分泌されてしまうのです。寝起きが悪かったり、体調不良になったりしないためにも、夜中のスマートフォンの扱いには注意しなければなりません。

睡眠不足と脳機能の低下との関連性は明らかになってきています。5日間の断眠期間を設けた場合、糖の利用が低下してぼーっとしてしまうのです。通常は、しっかりと睡眠をとれば回復するのですが、休養をとっても回復しない場合は慢性疲労の状態になってしまいます。

年齢別に比較した場合、慢性疲労症候群は30代の人に多いとされており、男性よりも女性の患者数が多いといわれています。さらに、大人だけでなく子供にも慢性疲労症候群の人がいます。子供の慢性疲労症候群を「小児慢性疲労症候群(小児CFS、CCFS)」と呼びます。小児慢性疲労症候群になると、不登校になったり、活力がなくなったりします。小児慢性疲労症候群は、受験勉強や部活、いじめなどが関わっているとされていますが、コンピューター作業やゲームをする時間などは予防できることなので、疲労を回復するためにも生活を見直すことも大切でしょう。

脳神経についても解明されつつあります。疲労が蓄積すると、脳の神経活動が低下して血流が滞ることが実証されています。「セロトニン(神経伝達物質)」や疲れやすい遺伝子などの存在が明らかになっているため、薬に応用できないかと開発が進んでいます。さらに、慢性疲労症候群はアルツハイマーにも関係しているとされています。重症な慢性疲労症候群の人ほど、脳が委縮する傾向があり、脳の体積が低下していきます。脳が委縮するとアルツハイマーに繋がるので、疲労と脳は切っても切れない関係なのです。

疲労を測るためのさまざまな数値があります。たとえば、「疲労のダメージ指数」は、「配偶者の死」を100としたときのさまざまな出来事のダメージ指数が設定されています。その他、唾液から疲労を測定する方法もあるそうです。通常は免疫機能で抑えられている人間のヘルペスウイルスが、疲労が蓄積すると再活性化するというメカニズムに着目した手法です。口の中に存在するヘルペスウイルスのDNAの数で疲労度が測ります。また、脈波から疲労度を測定することもできるといいます。このように、さまざまな測定方法が開発されてきているのです。

正しい疲労回復方法とは?

よく行われがちな疲労回復方法が、正しいのか誤っているのかを「〇(正しい)」「×(誤り)」「△(場合による)」で判定してみました。その結果、日頃の行為が疲労に繋がっているケースがあることが分かりました。ご自身の生活習慣に当てはめて、疲労回復方法について考えるきっかけになればと思います。

1,深夜にカフェイン飲料で眠気を解消する。
→×
(理由:覚醒作用で麻痺させて疲れを感じないようにするだけで、根本治療にはなりません。)

2,疲れたときには焼肉でパワーチャージする。
→×
(理由:消化に時間がかかってしまい、内臓疲労に繋がります。)

3,疲労回復にアミノ酸飲料
→△
(理由:飲み方によっては体のバランスを崩してしまうことがあります。)

4,疲れたら酸っぱい物を食べる。
→〇
(理由:クエン酸がエネルギーを作るのに役立ってくれます。)

5,毎日仕事帰りにジムに通い、ストレス発散する。
→△
(理由:仕事終わり(寝る直前)に運動をしすぎると、覚醒して不眠に繋がるケースがあります。)

6,熱いお風呂に入り、汗を流してリフレッシュする。
→×
(理由:温度が高すぎるお湯につかると、かえって疲労が溜まるので注意しましょう。)

7,近くの公園で森林浴をする。
→〇
(理由:森林浴効果は疲労回復に効果があるとされています。)

8,休みの日は趣味三昧
→△
(理由:夢中になってしまい、疲労していないと脳が錯覚してしまう恐れがあります。)

●疲労回復に役立つ食事

ビタミン系やクエン酸などがよく挙げられますが、最近では「イミダゾールジペプチド」が疲労回復の役に立つと注目されています。また、過労や疲労の予防に役立つ物質として、「フルスルチナミン」や「アスコルビン酸」などがあります。
研究を進めると、疲労には抗酸化や神経伝達物質が重要と分かってきました。今後、疲労を蓄積させず、病気を予防できればと考えています。

●正しい睡眠をとるために
  • 朝30分は太陽の光を浴びる。
  • 夜間に強い光(スマートフォンやパソコンの光など)を見ない。
  • 寝室の照明は暗くする。
  • 寝酒はしない。
  • 寝る2~3時間前に軽い運動をする。
  • 入浴は寝る1~2時間前までに済ませる。
  • 食事は寝る2時間前までに済ませる。

その他、自分なりの入眠できる儀式(行為)を見つけるのも手段のひとつといえるでしょう。その行動をとれば眠れるというポイントを持つことで、スムーズに入眠できるからです。睡眠薬に頼ることは極力控え、生活習慣を見直すことをお勧めます。そして、疲労には姿勢も関係しているとされているため、立ち方に気をつけてみてください。
壁にかかとを付けて直立した際に、5箇所(頭、肩、尻、ふくらはぎ、かかと)が壁に接しているかを確認して、正しい姿勢を覚えましょう。猫背になると肺が圧迫されて呼吸が浅くなります。姿勢を正すだけでも体質が改善されると考えられています。

予防医学

希望
プラセンタとは「胎盤」という臓器のことです。受精卵が着床後に、胎盤と胎児に細胞分裂してできます。また、胎盤と胎児を繋ぐへその緒と呼ばれるものが「臍帯」です。プラセンタには、タンパク質やアミノ酸、ビタミン、ミネラル類、各種の酵素など人間を構成するほとんどの成分を含んでいます。

団博士は、「予防医学」をテーマに研究を進めています。その中で、三大疾病(癌(がん)・心筋梗塞・脳卒中)、高血圧・糖尿病・高脂血症・肥満などの重篤な危険因子、毛髪や肌に対し、プラセンタが何らかの効果を及ぼすと確認されました。なぜ、プラセンタはこれほどまで幅広い効果をもたらすのでしょうか。それは、プラセンタが長寿遺伝子、長寿ホルモン、腸管免疫、ストレス応答に作用するからだといわれています。

●長寿遺伝子(サーチュイン)

プラセンタは、長寿遺伝子とされる「サーチュイン(Sirtuin)」を活性化すると研究で明らかになりました。肥満予防や癌(がん)化抑制に繋がるとされていますが、そのデータをどのように活かすかが今後の課題です。

●長寿ホルモン(アディポネクチン)

100歳以上の人を調べると長寿ホルモンとされる「アディポネクチン」の数値が高いことが分かりました。肥満になってしまうと肥大脂肪細胞からアディポネクチンが作られなくなってしまいます。アディポネクチンは塩分を排出する働きがあることが明らかになりつつあり、高血圧動脈硬化や肥満だけに留まらず、癌(がん)や糖尿病にも関係しているといわれています。

●腸管免疫

高脂肪食ばかりを食べていると腸内環境が乱れますが、プラセンタはバランスを整えてくれることが分かってきました。腸管の中に、免疫に関わるパイエル板があります。生きたまま腸に届くといわれる乳酸菌がありますが、パイエル板にまで届けられないという考えが出てきました。そこで団博士が注目しているのが「ナノ乳酸菌」です。今後、パイエル板に乳酸菌を届けることで免疫能力を高められるように研究を進めていきたいと考えています。

●ストレス応答

ストレス応答とは、ストレスを受けたときに、元に戻そうと反発する力のことです。抵抗物質は、「ヒートショックプロテイン(HSP)」と呼ばれています。アルツハイマーは不治の病といわれていますが、HSP70の数値を引き上げておけば、認知機能が改善したというデータがあります。これは、アルツハイマーが回復したということを意味します。プラセンタはHSP70を誘導するとされているため、プラセンタがアルツハイマーの治療に貢献できるかもしれないと期待されているのです。

団博士が研究に取り上げているストレス応答機構には「分子シャペロン(フォールディング、ヒートショックプロテイン)」「小胞体ストレス(ストレス適応反応)」「オートファジー(分解処理、防御機構)」があります。今回は、その中からオートファジーについて説明します。

オートファジーとは、古くなった細胞が栄養不足に陥ったとき、自分の体を構成している蛋白質をアミノ酸にまで分解し、それを自分の栄養源として溜め込み、生きながらえることです。オートファジーの役割は多岐に渡りますが、メカニズムが徐々に解明されてきており、人間にどのように活かしていくかを研究する段階に差し掛かっています。プラセンタをある細胞に振りかけると、オートファジーを誘導することができることも証明されており、プラセンタにおいても、証明された事実をどのように活かすかが今後の課題です。

癌(がん)とプラセンタ

健康の定義
癌(がん)は5mm以上の大きさでないと画像診断で見つけることができないにもかかわらず、最近では0.1mmでも転移の可能性があるといわれるようになりました。これは、かなり早期に見つかっても進行癌(がん)(転移している可能性がある癌(がん))になっている可能性があるということです。その他、EMT変換(上皮細胞が間葉系細胞に変わること)に対してどのような処置をするのかという課題もあります。EMT転換には、毛髪の分野でも取り上げたTGF-βが関わっているとされています。癌(がん)の治療は、癌(がん)になってからでは遅いため、癌(がん)にならないように予防しなければなりません。

樹状細胞ワクチン療法

正常なマウスから血液を採取し、そこにある樹状細胞をシャーレで培養し、断片化プラセンタを与える実験です。試験管でプラセンタを取り込ませた樹状細胞がさまざまな目印をかざしている状態でマウスに戻し、癌(がん)を植え付ける実験を行いました。そうすると、癌(がん)を拒絶することができました。癌(がん)を植えているにも関わらず、癌(がん)を寄せつけることがなく、予防接種のような役割がみられたのです。しかもこの実験では、1種類だけでなく、2種類目の癌(がん)にまで予防効果があることがわかりました。今後、癌(がん)やそのほかの病気を予防する効果が期待されています。

発癌(がん)耐性を誘導するには、癌(がん)細胞に自らが死ぬ(アポトーシス)ことを促す、細胞増殖性を低下させる、細胞老化を改善する、遺伝子エラーを修復する、ストレス応答などの抵抗力を高める、癌(がん)に対する炎症反応を起こさないように抑える、遺伝子レベルでは説明がつかない要因(DNAエピジェネティクス)を考える、などのファクターがあります。

また、癌(がん)とエクソソームが関係していることも明らかになりつつあり、研究は日々進歩しています。団博士は、癌(がん)になる前から予防していくことこそが大切と考え、癌(がん)の撲滅に繋がる研究を進めていきます。

団克昭博士プラセンタ特別講演会を受講して

プラセンタ講演会
今回の講演会では、プラセンタの研究成果を聞くだけでなく、疲労に関するセルフチェックも行うことができました。日本は疲労大国といわれており、慢性疲労を放置すると病気になってしまう危険性があるといいます。
病気にならないためには、疲労を蓄積しない生活習慣が大切なのだと改めて感じました。今回も初めて参加された方が大勢いらっしゃいましたので、まだ団博士の講演を聞いたことのない方も気軽に参加してみてください。

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プラセンタとがんの関係について研究が進んでいます

プラセンタ講演会
美容業界で名前を聞くことの多い「プラセンタ」ですが、実は医療業界からも注目が集まっています。
新しい時代の医療の分野で、今後プラセンタの活躍が期待されています。

薬以外の選択肢を知ることで、自分らしい治療の実現に役立つ可能性があります。

プラセンタ講演会

一般社団法人 国際抗加齢免疫医学学会
理事長 団 克昭博士
プラセンタ講演会レポートバックナンバー

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団 克昭博士によるプラセンタ特別講演会
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