エクソソームの研究が病気の治療に繋がる【団克昭プラセンタ研究レポート27】

癌転移

テーマ『病気にならない体づくり~予防医学の重要性~』

一般社団法人国際毛髪抗加齢医学学会・一般社団法人国際抗加齢免疫医学学会
理事長 団 克昭博士特別講演会
受講場所:ホテルニューオオタニ
受講期間:平成28年9月7日(13:00から15:00)

細胞のシグナル伝達

シグナル
人間の体にはシナプスなどの神経を伝達する物質があり、60兆個の細胞同士がそれぞれコミュニケーションをとっているといわれています。細胞の受け皿である受容体(レセプター)は、情報を細胞の核にシグナル伝達して、細胞の核の中で転写因子を活性化させます。その結果、シグナルが細胞の外にまで伝わっていくのです。このように、すべての細胞は周囲の外部環境から影響を受けて応答を繰り返しています。

細胞と細胞の間では、さまざまな情報交換が行なわれています。その中で、「死滅しなさい」「生存しなさい」といった指示もシグナル伝達されています。シグナルを受け取った細胞は対応しようと動きます。たとえば、「死滅しなさい」というシグナルを受け取った細胞は、死を誘導する因子を活性化させてアポトーシス(死滅)していきます。細胞の周りには、レガンド(細胞からのシグナル分子)などのさまざまな分子が集まってきます。それに受容体が反応し、入ってきた情報を核に伝達するのです。

「エクソソーム」の研究

エクソソーム
細胞から分泌される粒子としてサイトカイが有名でしたが、最近は「エクソソーム」に注目が集まっています。エクソソームとは、ほとんどの細胞から分泌される直径40~150nm(ナノメートル)程度の膜小胞のことです。エクソソームの内外にはさまざまな分子が含まれていることがわかっています。

エクソソームは人間だけでなく、動植物にも含まれています。私たちの日々の食事の中にもエクソソームがあるということです。エクソソームは食べ物にも影響があるとされており、私たち人間とは切り離せないものといえるでしょう。

エクソソームの産生経路

細胞膜の表面にはさまざまな蛋白質がありますが、エクソソームはそれらをエンドサイトーシス(細胞がくびれて、くるまり、外の蛋白質を内側に閉じ込める形で袋になること)ができます。今まではこの現象を、古くなったものを処理する工程と考えられてきましたが、単なる処理作業ではなく細胞外に放出していることが分かってきました。

エクソソームは体のどの細胞の中にも存在するといわれています。部位特異性があるかもしれませんが、血液、リンパ液など体液全部にエクソソームが存在するのです。そのため、唾液からでもエクソソームを集められるなど、研究材料を収集しやすいという利点があります。しかし、体内のどこにでも存在するということは、癌(がん)細胞にもエクソソームが存在することを意味しています。癌(がん)細胞から放出されたエクソソームには、癌(がん)特有の物質が含まれていると考えられます。

エクソソームと癌(がん)

上皮細胞は、さまざまな悪い刺激を受けると反応し、悪い刺激を受け続けると悪化します。本来、上皮細胞は接着因子でしっかりと繋がっているため、膜が崩れることはありませんが、癌(がん)化すると性質が変わってしまいます。上皮細胞が間葉系の細胞に変わるため、動きやすい性質になってしまうのです。上皮細胞には、「E-カドヘリン」という分子があります。上皮細胞からE-カドヘリンがたくさん出ているときは、動かないように膜状を維持できますが、癌(がん)化するとE-カドヘリンの量が減少して間葉系になり、結合性が悪くなるのです。

●癌(がん)の転移先

最初に患った癌(がん)の部位によって、次はどこに転移するかパターンがあることがわかっています。たとえば、眼内黒点腫や膵臓癌(がん)は肝臓に転移しやすい、大腸癌(がん)は肝臓に転移しやすい、乳癌(がん)は肺・肝臓・脳・骨に転移しやすいなどのパターンが挙げられます。今まで、このメカニズムについて詳しく明らかになっていませんでした。しかし、研究が進んだことで転移の仕組みがわかりつつあります。転移のパターンには、血行性転移・リンパ行性転移・腹膜播種の3つが考えられており、上皮細胞が間葉系の細胞に変換されると転移しやすくなることもわかってきました。

正常なマウスに肺転移性乳癌(がん)細胞(肺に転移する性質を持つ乳癌(がん)細胞)から培養したエクソソームを打ち込む実験を行いました。また、同様に肝転移性乳癌(がん)細胞(肝臓に転移する性質を持つ乳癌(がん)細胞)から培養したエクソソームを打ち込む実験も行いました。そして、それぞれの24時間後の経過を比較したところ、肺転移性乳癌(がん)細胞のエクソソームは肺に集まり、肝転移性乳癌(がん)細胞のエクソソームは肝臓に集まっていることがわかってきました。エクソソームは性質によって、どこから放出され、どこへ向かっていくのかが決まっているのです。

さらに、正常マウスに肺転移性乳癌(がん)細胞のエクソソームを植え、3週間後に骨転移性乳癌(がん)細胞を植えつける実験を行ないました。その結果、骨転移性乳癌(がん)細胞を植えつけているにも関わらず、骨ではなく肺に転移しました。このことから、先に植え付けたエクソソームの影響で肺に転移したと考えられます。つまり、癌(がん)は自らが転移先を考えているのではなく、エクソソームの指示で転移先を決めているということです。おおもとの指令は癌(がん)細胞が出していると思われますが、エクソソームの影響は大きいと考えられるでしょう。

乳癌(がん)患者の癌(がん)が肺に転移したかどうかを分類したうえで、エクソソームの表面に出る分子を調べたところ、エクソソームに発現する接着因子について動きが見られました。肺に転移した人はITGβ4の数値が高く、膵臓癌(がん)が肝臓に転移した人はITGαVβ5の数値が高いという結果が出たのです。この結果を活かせば、血液や尿から採取したエクソソームの表面にこれらの分子が見られたとき、肺や肝臓に転移するのではないか? という推測ができると期待されています。

●乳癌(がん)の骨転移における悪性サイクル

骨は、骨芽細胞と破骨細胞が再生を繰り返していますが、骨芽細胞を活性化するタンパク質が乳癌(がん)を活発にすると分かっています。また、乳癌(がん)からも骨芽細胞を元気にする蛋白質が放出されるため、悪循環が始まると考えられているのです。そして、この現象にもエクソソームが関係しているといいます。

●メラノーマの発症を予測

メラノーマ(皮膚癌(がん))がステージ3を迎えると、エクソソームの中にヒートショックプロテイン70、ヒートショックプロテイン90が見られるようになります。これは、エクソソームの中身を調べたときに、ヒートショックプロテイン70・90が含まれていたら、体のどこかに皮膚癌(がん)を患っている可能性があることを示していると考えられます。今後、エクソソームがメラノーマのバイオマーカーになるかもしれません。

エクソソームの研究に期待できること

期待
今まで、癌(がん)細胞について研究が進められてきましたが、エクソソームについての研究が進んだのは比較的最近のことです。エクソソームを悪いものと思う人もいるかもしれませんが、エクソソームの研究が進むことで良い成果も出つつあります。

●膵臓癌(がん)とエクソソーム

癌転移
膵臓癌(がん)からエクソソームが分泌されると、免疫担当細胞のマクロファージが攻撃できないようになってしまうことが分かっています。また、乳癌(がん)細胞から分泌されるエクソソームは、脳転移を促進することもわかりました。乳癌(がん)細胞から分泌されるエクソソームの中には、マイクロRNAが入っているため、脳に危険な物質が入らないように見張っているフィルターであるBlood-brain barrier(BBB)を壊して通過させる働きがあります。乳癌(がん)が脳転移しやすいといわれているのはこれが理由です。エクソソーム中のmiR-181cの影響で、悪いものがBBBを壊して通過してしまい脳腫瘍を引き起こすのです。

この性質を活かして、エクソソームに脳腫瘍に効果のある薬を封じ込めて脳に送れば、BBBを突破して脳に届けることができるのではと期待されています。エクソソームの研究が進めば、脳腫瘍の治療に繋がるかもしれません。このように、エクソソームについてわかったことは悪いことだけではないのです。エクソソームの研究は、癌(がん)やアルツハイマーなどの早期発見に繋がる可能性もあります。

●エクソソームの行き先

国立がんセンターの研究で、エクソソームの行き先を見つけ出す画期的な技術が発見されつつあります。それは、エクソソームの表面に対応する抗体を結合させ、目印にビーズをつけておく方法です。ビーズはバラバラに動いていますが、ビーズとビーズの距離が一定の距離に近づくと光るようになっています。その仕組みを活用し、ビーズが集まり光を発した箇所を調べることで、エクソソームの行方を突き止められるかもしれないと研究が続けられているのです。

エクソソームの表面から出ているCD63の抗体を注射しておくと、エクソソームに阻害物が付着し、エクソソームが体内に取り込まれないようになります。このようにエクソソームを処理することで転移抑制できると考えられており、臨床実験が行なわれています。

そのほか、グレープフルーツの果汁にもエクソソームに似た小胞顆粒があるといわれています。アメリカでは、National Institutes of Health(国立衛生研究所)が中心となり、脳のフィルターであるBBBを通過させる仕組みを利用して、特定のマイクロRNAを運びこむことで、脳腫瘍の治療に繋げようと急速に研究を進めています。

また、エクソソームの中身を変換して体内に戻すことができれば、エクソソームを病気の治療に活かすことができます。癌(がん)細胞から分泌されるエクソソームの伝達を阻止できないか、癌(がん)から放出されたエクソソームを取り除けないか、悪いエクソソームの細胞を取り込まないようにできないか、多様な角度から研究が進んでいます。

●エクソソームの研究が病気の治療に繋がる

タウ蛋白などの特殊な蛋白が現れるのが神経変性疾患の特徴ですが、エクソソームの活用は、治療に繋がると期待されています。若いマウスと年老いたマウスの血管を繋ぎ、お互いの血液を循環させる実験を行なったところ、年老いたマウスの血管が若返るという結果が出ました。そして、年老いたマウスの認知機能や脳血管の加齢を制御できたのです。この現象も、エクソソームが関わっているのではと考えられています。エクソソームは使い方次第で癌(がん)治療やアンチエイジングにも繋がるのです。

予防医学

予防医学
プラセンタとは「胎盤」という臓器のことです。受精卵が着床後に、胎盤と胎児に細胞分裂してできます。また、胎盤と胎児を繋ぐへその緒と呼ばれるものが「臍帯」です。プラセンタには、タンパク質やアミノ酸、ビタミン、ミネラル類、各種の酵素など人間を構成するほとんどの成分を含んでいます。

団博士は、「予防医学」をテーマに研究を進めています。その中で、三大疾病(癌(がん)・心筋梗塞・脳卒中)、高血圧・糖尿病・高脂血症・肥満などの重篤な危険因子、毛髪や肌に対し、プラセンタが何らかの効果を及ぼすと確認されました。なぜ、プラセンタはこれほどまで幅広い効果をもたらすのでしょうか。

血管内皮細胞

三大疾病(癌(がん)・心筋梗塞・脳卒中)のうち、心筋梗塞と脳卒中は原因が共通しており、両方とも動脈硬化の影響を受けています。高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などの危険因子が重なっていくと、血管内皮細胞が障害を受けて動脈硬化に繋がるのです。プラセンタが、血管の壁にどのような影響を与えるのかも研究しています。血管は、高脂血症で悪玉コレステロール(LDL)がたくさん流れる状態が続くと、性質が変わってきて、物が通過しやすくなります。すると、さらにLDLが流れ込み、酸化LDLになると、身体が異物と判断して免疫反応を起こします。マクロファージが異物を掃除してくれるのですが、どんどん入ってくるため、掃除しきれず、悪い細胞になってしまいます。それが、血管の壁を持ち上げ、壁を破って血流に乗って流れてしまいます。プラセンタが酸化反応を抑えることは分かっていますが、今後はマクロファージへの分化誘導についてより深い研究をする必要があると考えています。

血管の内皮細胞からは、良い物質が流れていると分かっています。血管弛緩因子・一酸化窒素(NO)が内皮細胞から分泌されており、これが分泌されると血管の柔軟性が増すといわれています。NOは、血管の収縮拡張をコントロールしており、血管の老化に関わるとされているのです。さらに、血管内皮のバリアの役割を果たし、血栓になるのを防ぐため、NOをたくさん分泌される状況を作れば、血管の病気を防げるのでは? と考えられています。そのためには、40度くらいのお風呂につかるなどの「温熱効果」、「ポリフェノール」や「魚の脂肪酸」の摂取などが効果的とされています。現在、NOとプラセンタの関わりについても研究を進めている段階です。

糖尿病とアルツハイマーの関係性

現在、糖尿病とアルツハイマーの関係性にも注目されています。そこで、正常な人、軽度のアルツハイマーの人、重度のアルツハイマーの人とで、髄液中インスリンと血中のインスリンの数値を比較する実験を行ないました。すると、アルツハイマーが重度になればなるほど髄液の中のインスリンが下がり、血中のインスリンが上がるという結果が出ました。血糖値が高い人ほど、アルツハイマーの発症率が高いという結果も出ており、糖尿病からアルツハイマーになるということは、医療の世界では実証済みです。今後、糖尿病が原因のアルツハイマーの発症を抑えることも大切になるでしょう。

癌(がん)とプラセンタ

予防医学
癌(がん)は5mm以上の大きさでないと画像診断で見つけることができないにも関わらず、最近では0.1mmでも転移の可能性があるといわれるようになりました。これは、かなり早期に見つかっても進行癌(がん)(転移している可能性がある癌(がん))になっている可能性があるということです。癌(がん)の治療は、癌(がん)が見つかってからでは遅いため、癌(がん)にならないように予防しなければなりません。

癌(がん)化した細胞は増殖のスピードが速く、ブドウ糖を多く含んでいるといわれています。その特徴を活かした検査がPET検査です。PET検査では、ブドウ糖が体のどの部分に集まるのかを調べることで、癌(がん)かどうかを識別します。しかし、技術的に進歩しているPET検査でさえ見つけにくい癌(がん)があり、膀胱や胃や肝臓など水分を多く含んでいる臓器の癌(がん)は見つけにくいとされています。そのため、PET検査だけでは足りないと考えられており、CT検査と組み合わせることで精度を高めているのです。ただ、それでも5mm以上のサイズでないと癌(がん)を見つけられないのが現実であり、癌(がん)を予防することが大切なことに変わりありません。抗がん剤は腸内の善玉菌を殺してしまう恐れがあるので、抗癌(がん)剤を使うのではなく癌(がん)を防ぐべきなのです。

●肝臓癌(がん)

肝臓癌(がん)は化学療法(抗がん剤など)が効きにくいとされています。また、抗がん剤などを多剤併用(薬を併用する)すると、副作用も強く出てしまいます。しかし、抗がん剤が効きにくい癌(がん)でも、プラセンタで治癒を加えれば、副作用が出ずに、癌(がん)の進行を止めることが証明されています。

●胃癌(がん)・胃潰瘍

胃がんの前段階にいる胃潰瘍のマウスに、プラセンタを投与するとそのマウスが全治したという結果が出ました。さらに、プラセンタは転移後のがんにも効果があります。転移に効く抗がん剤がなかったため、プラセンタが免疫療法の効果を高めるのではないかと期待されています。

●乳癌(がん)

免疫が作用されていない「ヌードマウス」に、ヒトの乳癌(がん)細胞を移植。そのマウスにプラセンタを投与するという実験が行いました。すると、プラセンタを投与しない場合より、投与した場合の方が、約5分の1も乳癌(がん)が縮小したのです。
さらに、団博士の研究とは違った切り口として、顕微鏡で細胞を見ると正常かどうかを識別できる資格を持つ臨床検査技師にも、発現抑制効果を測定してもらいました。そのとき用いた腫瘍マーカーHer2には、数字が大きくなると癌(がん)が進行・悪化しているというスコアリングがあります。その腫瘍マーカーHer2で癌(がん)の発現抑制効果を判定するため、癌(がん)の部分を切り取りスライドに置き測定しました。その結果、治療しない場合は末期癌(がん)といわれる2.6でしたが、プラセンタを治療に加えると早期発見癌(がん)といわれる1.1という数値がでました。

●白血病

血液系の癌(がん)である白血病に対して、プラセンタをマウスに投与する実験を行いました。白血病を治療しないままにしておくと、生存率は28日目で15%です。しかし、同じ癌(がん)細胞を植えた後でプラセンタを投与すると、58%まで延びるという結果がでました。この実験で、プラセンタによる延命効果が証明されたのです。
今までは病気になってから後投与する実験を行っていましたが、予防医学の観点から病気になる前に投与する実験も行いました。その結果、プラセンタを2週間与えたマウスに白血病を植え付けると、マウスは拒絶反応を示し生存率は75%まで伸びました。前もってプラセンタを与えることで、後投与よりも高い抵抗性を示したのです。このことから、プラセンタには延命・予防効果があると考えることができます。
さらに、プラセンタを2週間投与してから癌(がん)細胞を植えつけ、さらにその後も継続してプラセンタを投与すると、85%以上という高い生存率がでました。予防をせずに癌(がん)細胞を植え付けた後にプラセンタを投与した場合に比べ、予防の段階からプラセンタを投与する方が癌(がん)への拒絶する力がより一層高まると実証されたのです。

●肺癌(がん)

肺癌(がん)の転移についてもプラセンタの効果が証明されました。転移に効く抗がん剤がない中、治療しないと約200個も転移する肺癌(がん)を、プラセンタを投与することで半分以下に抑えることができたため、優秀な結果であると評価されました。プラセンタは再発・転移癌(がん)にも効果があると認められたのです。これは、病気が進行しないようにする「三次予防」に当たります。

腫瘍幹細胞

なぜプラセンタが癌(がん)の再発・転移防止に効果があるのか? その鍵といわれているのが、癌(がん)にもあるとされる幹細胞です。癌(がん)細胞には親子関係のようなものがあり、幹細胞は癌(がん)細胞の親にあたります。子どもたちには新しい腫瘍を作る能力がないのですが、親とされる幹細胞には新しく癌(がん)細胞を作る能力があります。そのため、幹細胞を残したままだと、新しい腫瘍を作ってしまいます。また、癌(がん)細胞はニッチという細胞と結びつき再発・転移することもわかっていますが、プラセンタは幹細胞とニッチが結びつかないように作用します。

血管新生抑制

癌(がん)細胞は栄養を求めるため、血管新生因子を出して血管を作るように促します。すると血管の内皮細胞が癌(がん)に向かって伸び始め、最終的に血管は癌(がん)に繋がってしまうのです。このように、既存の血管から新しい血管が生じる現象を「血管新生」といいます。血管新生が起こると、体内の酸素や栄養素を癌(がん)に集めてしまいます。結果、癌(がん)が大きくなったり、転移したりしてしまうのです。しかし、プラセンタのある成分を用いることで異常な血管新生を抑制できることがわかりました。癌(がん)に対する血管新生を抑制することで、癌(がん)治療に役立てることができるのです。

癌(がん)免疫

一度癌(がん)になると二度と同じ癌(がん)にならないということがマウスの実験で証明されています。実験用マウスに癌(がん)細胞を埋め込み、大きくなった腫瘍を外科手術で取り除くと、マウスは助かるのですが、この癌(がん)細胞を別のマウスに埋め込むと癌(がん)になり死んでしまいます。しかし、一度治ってしまったマウスに、再び同じ癌(がん)細胞を埋めても、同じ癌(がん)には二度とかかりません。あらかじめ癌(がん)抗原をワクチンとして打てば癌(がん)にならずに済むのではないか? これが癌(がん)免疫という学問の始まりです。

癌(がん)化した細胞には癌(がん)抗原があり、癌(がん)抗原を投与すると免疫反応を起こし拒絶します。そして、癌(がん)の目印が提示され、キラーT細胞が癌(がん)細胞を攻撃します。癌(がん)抗原を投与して治療した場合、活性化されたキラーT細胞が、癌(がん)細胞を攻撃しますが、癌(がん)細胞だけでなく、正常な細胞まで攻撃するため、副作用がでてしまいます。一方、プラセンタは、癌(がん)細胞にだけ特化して攻撃ができるので、副作用なしで治療を行うことができます。

実験で、プラセンタを2週間マウスに与えてみると細胞表面に抗原が多く現れて、キラーT細胞が癌(がん)細胞を攻撃しやすくなりました。これは、プラセンタによって抗原提示能力が高まったためだといえます。さらに、抗原提示能力が癌(がん)の縮小に繋がるのかを示すため、マウスの背中(左右2箇所)に癌(がん)細胞を埋め込む実験も行いました。2箇所の内、左側にだけプラセンタを投与すると、最初に投与した左側が縮小され、次に投与しなかった右側の癌(がん)細胞も縮小されました。これは抗原提示能力が高まったために、キラーT細胞が癌(がん)細胞を見つけて攻撃したことを示しています。

樹状細胞ワクチン療法

正常なマウスから血液を採取し、そこにある樹状細胞をシャーレで培養し、断片化プラセンタを与える実験です。試験管でプラセンタを取り込ませた樹状細胞がさまざまな目印をかざしている状態でマウスに戻し、癌(がん)を植え付ける実験を行いました。そうすると、癌(がん)を拒絶することができました。癌(がん)を植えているにも関わらず、癌(がん)を寄せつけることがなく、予防接種のような役割がみられたのです。しかもこの実験では、1種類だけでなく、2種類目の癌(がん)にまで予防効果があることがわかりました。今後、癌(がん)やそのほかの病気を予防する効果が期待されています。

発癌(がん)耐性を誘導するには、次のような要因があります。
・癌(がん)細胞の自然死(アポトーシス)を促す
・細胞増殖性を低下させる
・細胞老化を改善する
・遺伝子エラーを修復する
・ストレス応答などの抵抗力を高める
・癌(がん)に対する炎症反応を起こさないように抑える
・遺伝子レベルでは説明がつかない要因(DNA エピジェネティクス)を考える
などのファクターがあります。

医薬品は、開発に長い時間がかかりますし、副作用が伴います。団博士は、癌(がん)が発見されてから与える医薬品では癌(がん)の撲滅に繋がらないと考えます。癌(がん)になる前から、きちんと予防していくことこそが大切なのです。こういった視点から予防医学をテーマに掲げ、今後も研究を進めて行きます。

団克昭博士プラセンタ特別講演会を受講して

今回の講演会は、プラセンタの研究成果だけでなく、医療の研究にまつわる興味深いお話も盛り込まれていました。特にエクソソームの研究は、初めて聞く情報ばかりで非常に勉強になりました。他では聞くことができないような情報ばかりでいつも充実した時間を過ごせるのがプラセンタ特別講演会です。初めて参加される方も大勢いらっしゃいましたので、まだ団博士の講演を聞いたことのない方も気軽に参加してみてください。

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プラセンタについて研究が進んでいます

プラセンタ講演会
美容業界で名前を聞くことの多い「プラセンタ」ですが、実は医療業界からも注目が集まっています。
新しい時代の医療の分野で、今後プラセンタの活躍が期待されています。

薬以外の選択肢を知ることで、自分らしい治療の実現に役立つ可能性があります。

プラセンタ講演会

一般社団法人 国際抗加齢免疫医学学会
理事長 団 克昭博士
プラセンタ講演会レポートバックナンバー

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団 克昭博士によるプラセンタ特別講演会
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