「花粉アレルギー」「プラセンタの可能性」【団克昭プラセンタ研究レポート2017年3月】

花粉症

団 克昭博士の講演会が東京で開催されました。講演会では、プラセンタの研究成果の発表に留まらず、この季節ならではの花粉症にまつわる情報も紹介されました。花粉症のメカニズムや対処法など、すぐに実践できることから、専門的なデータまで説明いただきました。病気の予防やアンチエイジングに繋がる情報が盛り込まれた講演会の内容をレポートにしましたので、ぜひご覧ください。

テーマ『病気にならない体づくり~予防医学の重要性~』
一般社団法人国際毛髪抗加齢医学学会・一般社団法人国際抗加齢免疫医学学会
理事長 団 克昭 博士 特別講演会

受講場所:ホテルニューオオタニ
受講期間:平成29年3月1日(13:00から15:00)

花粉アレルギー

花粉アレルギー

花粉症には諸説ありますが、大正時代には「花粉症」という病気はまだなかったそうです。
花粉症に悩む人が増えたきっかけは、戦後の復興のために、早く育つスギ(スギ科)を植えたものが成長し、近年ピークを迎えて花粉が増えたことが理由に挙げられます。

現在では、改良が進み花粉が飛ばないスギが開発されつつあり、今後は花粉の量が減っていくのではないかと予想されておりますが、まだまだ当分の間は花粉症で悩む人がなくなることはないと考えられています。

花粉がたくさん飛ぶと、オーロラのように輝く「花粉光環」という現象が起こります。
気象協会が発表している花粉前線によると、スギとヒノキ(ヒノキ科)の花粉は3月から4月がピークです。
北海道ではスギ花粉は飛散しませんが、別の植物の花粉が飛んでいます。
また、仙台方面ではヒノキはあまり飛散しません。

このようにエリアによって飛散する花粉の種類は異なりますが、日本全体で見た場合、やはり多いのはスギやヒノキの花粉です。
特に、スギは花粉症とともに注目されることが多い植物です。
2017年は、昨年に比べて西日本を中心に沢山の花粉が飛散し、北側は昨年より少ないという予想がされています。
過去10年の平均値と比較しても、今年は昨年よりもやや多いという状況といえるでしょう。

花粉の構造

スギ花粉を拡大すると、パピラという突起が出ていてコンペイトウのような形状をしています。
そして、花粉そのものだけでは、花粉症のアレルギーが引き起こされないことも分かっています。飛散している花粉の形状は時期によって異なり、3月中旬から4月にかけては、パピラが1つずつ膨れ上がった形状で、4月になると梅干しのように形がしぼみます。
さらに、それ以降になると破裂して潰れたような形状になって飛散するといいます。
アレルギーの原因はこういった花粉の形状の変化にあると考えられています。

アレルギーの元である抗原を調べると、表面にオービクルという物質があり、さらに奥にはセキシンという物質があります。
花粉が破裂したときに出る黒い点が、アレルギーの原因とされており、ナノレベルの花粉が花粉症を引き起こすのです。

実際に、空気中の花粉飛散のピークに対して、患者増加のピークはやや遅れてくるとされています。
この時間差が起こる理由は、花粉症のアレルギーの原因が花粉の破裂後に出てくるからなのです。

最近、PM2.5も話題になっています。
PM2.5は非常に小さい物質で、髪の毛(70㎛)や花粉(20㎛)と比べても、PM2.5は極めて小さいことが分かっています。

ただし、花粉の20㎛というサイズは、花粉の完全体の大きさを表しており、花粉症の原因になる物質の大きさはPM1程度のサイズといわれています。
梅干し状の花粉が飛んでいる状態でPM2.5が飛散すると、花粉とぶつかり花粉が傷つきます。
花粉は水に弱く、湿度が高くなると破裂する性質があるうえ、PM2.5に傷つけられて弱くなっているため、雨で破裂しやすくなります。
その後、晴れて風がふくと花粉が舞うように感じるのは、雨で破裂した花粉とPM2.5が一緒に飛んでしまうためです。

花粉症の発症機序

日本スギの学名は「cryptomeria japonica(クリプトメリアジャポニカの略称)」といい、抗原には「Cryj」という名前が付けられています。

花粉が破裂することでCryjが出てきて、体内に入ると免疫反応を起こします。
抗原には、「Cryj1」「Cryj2」という種類があり、Cryj1は抗原として提示されますが、Cryj2はブロックされます。Cryj1の情報が伝達されると、B細胞(形質細胞)が抗体を出します。

そして、人間なら誰もが持つ肥満細胞と抗体が結合し、体の中を巡ります。
再度、同じ抗原が入ってきた場合、その抗体と結合して反応を起こし、肥満細胞がヒスタミンを放出します。
花粉症は、ヒスタミンリセプター(ヒスタミンを感じ取るセンサー)が反応して、くしゃみなどのアレルギー反応を出してしまうため発症するのです。

脳が勘違いして肥満細胞にヒスタミンを作らせてしまうという悪循環が起こることもありますが、抗原が入ってしまい免疫反応が起こり、肥満細胞に抗体が結合する状態が繰り返され、抗体反応でヒスタミンが放出されるというのがアレルギーの基本的な流れです。
花粉が目や鼻から体に入ってくると、リンパ球が花粉に反応してIgE抗体を作ります。
そして、同じ抗原が入ってきた際に、抗体と結合してアレルギー反応が症状として表れるというメカニズムなのです。

花粉はスギのほかにも沢山種類があり、1年中何かしらの抗原にさらされていることになります。
もし、スギ以外のあらゆる花粉に免疫反応を起こしてしまう体質の場合、ずっと花粉症対策をし続けなくてはなりません。
そのため、スギにだけ注意すればよいという問題ではないのです。
体が過剰な免疫反応を起こさないように改善していくことが重要でしょう。

スギやヒノキが中心に取り上げられがちですが、日本には60種類の花粉が飛んでいるといわれています。
ハイビスカスやコシヒカリからトウモロコシまで、さまざまな種類の花粉があり、これらも破裂してしまうとアレルギーの元になってしまいます。
北海道や沖縄は、スギの飛散が少ないとされていますが、地域特有の花粉が飛んでいます。
花粉は小さければ小さいほど、肺の奥まで入りやすくなり、アレルギー反応が起こりやすくなるため対策が必要です。

●花粉症の症状

花粉症は、くしゃみの回数や鼻水の程度で、「最重症」「重症」「中等症」「軽症」「無症状」に重症度を分類することができます。
10回以上くしゃみをして鼻水が止まらない場合は重症とされています。
症状に応じて薬が用意されていますが、軽症の人も重症の人も抗ヒスタミン薬やステロイドなどほぼ同じ薬を服用しています。
そのほか、対症療法で目の痒みや鼻水に対応した薬が処方されますが、処方される薬に大差はありません。

現在は、抗ヒスタミン薬の進化が進み「第二世代抗ヒスタミン薬」といわれています。
以前の抗ヒスタミン薬では、脂肪細胞からヒスタミンが出る段階でブロックをして症状を抑えていました。

しかし、副作用などが見直され、肥満細胞からヒスタミンが飛び出ないようにしながらブロックをする第二世代抗ヒスタミン薬が開発されたのです。
作業部位が広がったため、アレルギー作用を抑えられるようになりました。
さらに、過剰な反応や炎症を起こさせないようにします。市販の花粉症の薬の場合も、肥満細胞に作用してヒスタミンを出さないようにする仕組みは同じです。

●花粉症薬による副作用

花粉症薬によって鼻水などの症状は改善されますが、脳に影響を与えるため集中力、判断力、作業能率が低下するなど行動のパフォーマンスが低下します。
アレルギーの反応に関しては、20年以上前から分類されていますが、大きく4つのタイプに分かれるのは現在でも変わりありません。

・Ⅰ型アレルギー反応

肥満細胞に結合している抗体に抗原が接触し、ヒスタミンが出るパターン。気管支ぜんそく、鼻炎、皮膚炎などの症状が表れます。

・Ⅱ型アレルギー反応

肥満細胞表面の形が変化し、抗原にならない物質まで結合してしまうことで細胞溶解を起こします。症状として、血小板の減少や貧血などが挙げられます。

・Ⅲ型アレルギー反応

抗原抗体の複合体結合物を処理できず、炎症部位に蓄積してしまいます。関節リウマチの悪化などに繋がります。

・Ⅳ型アレルギー反応

「遅延アレルギー反応」とも呼ばれており、ツベルクリン反応のように数日後に反応が表れます。

第一のアレルギー反応の段階では、抗原が体内に入りマクロファージが溜め込みます。
次に、抗原を提示してT細胞からB細胞に情報を伝達し、作られた抗体が肥満細胞に結合。
その後、再び同じ抗原が体内に入ると、抗体が出ている肥満細胞と結合してヒスタミンを出してしまいます。

偏った食生活は鼻の粘膜や血流に悪い影響をもたらすため、息苦しくなったり鼻が詰まったり花粉症のような症状に繋がります。
そのほか、抗アレルギー剤を飲むことが引き金になるケースもあります。
症状が出るたびに薬を飲むという行為を繰り返していると、皮膚や内臓にリンパが漏れ出し、皮膚炎や水虫をはじめ心臓発作、脳梗塞、メタボリックシンドロームなどの深刻な問題に発展するとされているのです。
症状を抑えたいがために服用したにもかかわらず、薬が花粉症を悪化させることもあります。薬を飲む前にきちんと検討することが大切です。

現在、沢山の花粉症薬が市場に出回っています。
厚生労働省が薬の価格(薬価)を決めているのですが、すでに特許を取っている薬と化合物を似せた薬を作り、安く販売するなど、価格競争が起こっています。
これはジェネリック医薬品とは異なり、模造品とも呼べる薬です。その連鎖が大量の薬が生まれる理由のひとつです。

腸管免疫と花粉症

腸管免疫と花粉症

「医食同源」という言葉の通り、食生活が体に及ぼす影響はとても大きいと考えられています。

事実、免疫のバランスに腸管免疫が関わっています。
花粉症の防御策として、抗原を体内に入れない工夫が大切であるため、マスクや眼鏡を活用するのも有効な対策とされています。

しかし、それだけでは完全に防御することはできません。
体の抵抗力を高め、免疫が暴走しないようにTh1(細胞性免疫)とTh2(液性免疫)のバランスを整えることが重要なのです。
Th1が強い場合は、癌や自己免疫疾患に対する過剰反応は起こりませんが、悪い生活習慣を繰り返しているとTh2が強くなりアレルギー性の反応が起こりやすくなります。
Th1を強くする生活習慣を心がけることが、花粉症対策に繋がるのです。

腸管免疫は花粉症と関係していると話題になっており、善玉菌や悪玉菌のバランスにおいて善玉菌を優位な状態に保つ生活が好ましいと考えられています。
乳酸菌やビフィズス菌など花粉症に有効とされている物質も見つかっています。
プラセンタと花粉症の関りも研究を進めており、プラセンタが花粉症に役立つことも分かりつつあります。
肥満細胞がIgE抗体を作る際に、過剰に作らせないなどのコントロールをプラセンタがしていることも実証されています。

プラセンタの可能性

プラセンタの可能性

プラセンタとは「胎盤」という臓器のことです。
受精卵が着床後に、胎盤と胎児に細胞分裂してできます。
また、胎盤と胎児を繋ぐへその緒と呼ばれるものが「臍帯」です。
プラセンタには、タンパク質やアミノ酸、ビタミン、ミネラル類、各種の酵素など人間を構成するほとんどの成分を含んでいます。

血管内皮細胞

三大疾病(癌・心筋梗塞・脳卒中)のうち、心筋梗塞と脳卒中は原因が共通しており、両方とも動脈硬化の影響を受けています。
高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などの危険因子が重なっていくと、血管内皮細胞が障害を受けて動脈硬化に繋がるのです。プラセンタが、血管の壁にどのような影響を与えるのかも研究しています。

血管は、高脂血症で悪玉コレステロール(LDL)がたくさん流れる状態が続くと、性質が変わってきて、物が通過しやすくなります。
すると、さらにLDLが流れ込み、酸化LDLになると、身体が異物と判断して免疫反応を起こします。
マクロファージが異物を掃除してくれるのですが、どんどん入ってくるため、掃除しきれず、悪い細胞になってしまいます。それが、血管の壁を持ち上げたり、壁を破って血流に乗って流れたりしてしまうのです。
プラセンタが酸化反応を抑えることは分かっていますが、今後はマクロファージへの分化誘導について、より深い研究をする必要があると考えています。

また、ビタミンの一種である葉酸が減ってくるとホモシステインが増加して血管障害を引き起こすことが分かってきています。
つまり、葉酸値が高ければ、血管障害が起きにくくなるということです。
葉酸値に関しても、プラセンタを食べさせていたマウスの葉酸値が高くなったという結果が出ています。

予防医学

団博士は、「予防医学」をテーマに研究を進めています。

その中で、三大疾病(癌・心筋梗塞・脳卒中)、高血圧・糖尿病・高脂血症・肥満などの重篤な危険因子、毛髪や肌に対し、プラセンタが何らかの効果を及ぼすと確認されました。
なぜ、プラセンタはこれほどまで幅広い効果をもたらすのでしょうか。
それは、プラセンタが長寿遺伝子、長寿ホルモン、腸管免疫、ストレス応答に作用するからだといわれています。

●長寿遺伝子(サーチュイン)

人間には「長寿遺伝子(Sirtuin)」というものがあり、長寿遺伝子Sirt1(サートワン)が活性化されれば、寿命が延びると分かっており、人間の場合、寿命が1.4倍延びるとされています。
長寿遺伝子Sirt1のスイッチをON状態にする方法として、カロリー制限があります。

そこで、食事量を70%に食事制限をした生活を送るサルと、食事制限ない生活を送るサルを比較する実験が行われました。その結果、同じ27歳のサルにもかかわらず、体つきが全く違うという結果が出たのです。
写真を見るだけでも、体格や毛髪の様子などが異なるのが分かります。

この結果にも、長寿遺伝子が大きく関わっているとされており、長寿遺伝子をONにすることで、肥満予防や癌抑制に繋がると考えられています。
また、プラセンタが長寿遺伝子を活性化することも研究で証明されています。

●長寿ホルモン(アディポネクチン)

女性の百寿者は、血液中の「アディポネクチン」の数値が高いということが研究で分かっています。
アディポネクチンとは、正常な人の皮下脂肪にある小型脂肪細胞から分泌されるホルモンです。

しかし、脂肪細胞が肥大して肥大脂肪細胞になると、アディポネクチンを分泌しない細胞になってしまいます。
むしろ、インスリンに抵抗性を示すような物質をたくさん分泌するようになるとされています。
アディポネクチンの完全体の分子は、体の中で使われていくと切れ端ができ、この断片が長寿に関わっていると判明しました。
プラセンタには、アディポネクチンの断片を効率よく作らせる働きがあり、この点でもプラセンタが長寿に効果があることがわかります。

「アディポネクチン欠陥マウス」で実験をしたところ、中性脂肪や血圧の数値が高くなりメタボリックシンドロームを呈しました。これは、アディポネクチンがないために肥満になったという証明でもあります。
さらに、正常のマウスとアディポネクチン欠陥マウスの血管を比較したところ、アディポネクチン欠陥マウスのほうが堅くなっているというデータが出ました。つまりアディポネクチンは動脈硬化を直接的に抑制してくれるということです。
高脂肪食に偏った食生活を送ると、中性脂肪の値が上がってしまいますが、アディポネクチンを与えると調整されて値が正常域に下がることも分かっています。

また、アディポネクチン(Ad)を50単位入れた場合よりも、切れ端の短いアディポネクチン(gAd)を5単位入れた場合のほうが中性脂肪を下がったという結果ができました。
これは、アディポネクチンの中でも、切れ端が効果をより発揮するということの証です。

最近、アディポネクチンの効果が注目されています。
血管拡張作用によって塩分を排出するため、高血圧や動脈硬化に良い影響を与えるほか、燃焼効果によって肥満予防にも繋がります。
体重が軽くなるだけのダイエットではなく、内臓脂肪が減り筋肉が増えるという健康的なダイエットを目指すことができるのです。

さらに、胃癌のマウスにアディポネクチンを与えると腫瘍が小さくなり、糖尿病患者に与えた場合には、インスリンの効きが良くなるとされています。
インスリンの感度を上げることで血糖値をコントロールできるのです。
このことから、さまざまな体の不調にアディポネクチンが関わっているといえるでしょう。

●腸管免疫

人は一生の間で70tもの食べ物を食べます。高脂肪食ばかりを食べていると腸内環境が乱れますが、プラセンタは腸内のバランスを整えてくれるとされています。
人間は、腸内細菌やウイルスが入ると腸管免疫で排除します。

腸内細菌の種類には善玉菌(ビフィズス菌など)、悪玉菌(大腸菌など)、日和見菌などがありますが、日和見菌は優位なほうに加勢する動きをするため、腸内環境のバランスは悪玉菌が優勢な状態になりやすいのが現状です。
そのため、高脂肪食ばかりを食べると、悪玉菌が増え善玉菌が減りアンバランスな状態になってしまいます。
しかし、そこにプラセンタを用いれば、本来のバランスに整えてくれるといわれています。

腸内細菌を、大きくタイプ分けをすると「グラム陰性菌」と「グラム陽性菌」に分かれます。
通常の食生活を送っている場合はプラセンタの影響をそれほど大きく受けませんが、高脂肪食を食べている場合はプラセンタによって良い影響を受けるというデータがあります。

●ストレス応答

ストレス応答とは、ストレスを受けたときに、元に戻そうと反発する力のことです。

37度くらいの体温で生活している人間の細胞に45度の熱(強いストレス)を与えると、細胞死を起こしますが、体温の限界である42度を経験した細胞に、45度の熱を浴びさせても細胞死は起こりません。
これは、細胞が抵抗性を獲得し、細胞保護作用が起こったからだと考えられています。
熱によって形成された抵抗物質は、「ヒートショックプロテイン(HSP)」と呼ばれており、プラセンタは最も代表的なHSPである「HSP70」を誘導するとされています。

マウスの皮膚にHSP70を作り、紫外線を当てる実験を行いました。
その結果、通常のマウスの皮膚ならば日焼けして黒くなりますが、HSP70を作らせておいてから紫外線を当てると日焼けしませんでした。つまり、紫外線の影響が肌に表れなかったということです。
このことからも、プラセンタによって抵抗性が高まったといえます。

アルツハイマーは不治の病といわれていますが、HSP70の数値を引き上げておけば、認知機能が改善したというデータがあります。
認知能力の低いマウスを円形プールに入れる実験が行われました。

プールの中には、隠れ踏み台(ゴール)があり、正常なマウスならば溺れないように、その踏み台から外へ逃げることができますが、アルツハイマーモデルマウスは、そこに辿り着くことが難しく、何分もプールをさまよいます。
しかし、アルツハイマーモデルマウスにプラセンタを投与し、HSP70の数値を引き上げておけば、プールに入れても早い段階で踏み台に到達できるようになったのです。

これは、アルツハイマーが回復したということを意味します。
アルツハイマーは不治の病といわれていますが、生体が持っているストレス応答という能力を高めておくだけで改善できるかもしれない。
そして、プラセンタがそれに貢献できるかもしれないのです。

団博士が研究に取り上げているストレス応答機構には「分子シャペロン(フォールディング、ヒートショックプロテイン)」「小胞体ストレス(ストレス適応反応)」「オートファジー(分解処理、防御機構)」があります。
今回は、大隅良典先生がノーベル医学・生理学賞を受賞したとして話題のオートファジー(Autophagy)についてご紹介します。

オートファジーとは、古くなった細胞が栄養不足に陥ったとき、自分の体を構成している蛋白質をアミノ酸にまで分解し、それを自分の栄養源として溜め込み、生きながらえることです。
オートファジーの役割は多岐に渡りますが、メカニズムが徐々に解明されてきており、人間にどのように活かしていくかを研究する段階に差し掛かっています。
生命を維持したり、細胞分裂をしたりするときにオートファジーの活性化は必須で、オートファジーはアンチエイジングやメタボリックシンドロームだけに留まらず癌の抑制などにも関わっていると考えられています。

オートファジーは、細胞自身が飢餓状態に陥ったときに、細胞自身の蛋白質を栄養源にして生きながらえようとする能力を持ちます。
そのとき、「オートファゴソーム」が生成され、細胞の中にある処理するべき古くなった蛋白質をくるみこむという現象が起こります。細胞の中には「リソソーム」という分解酵素が入っており、オートファジー、オートファゴソームと融合し、酵素を吐き出し分解処理をしてくれます。
プラセンタをある細胞に振りかけると、オートファジーを誘導することができることも証明されており、プラセンタにおいても、証明された事実をどのように活かすかが重要です。

日焼けと脱毛

日焼けと脱毛

日焼けの際に話題に挙がる「メラニン」は、いつも悪者扱いされていますが、実際は紫外線からバリアする役割を持つもので肌を守る働きをしてくれています。
つまり、メラニン自体は必要なものなのです。
そこで、「メラノサイト」というメラニンを作らせる細胞を試験管に沈めて実験を行いました。メラニンにはpheomelaninとeumelaninの2種類あり、ひとつの試験管には白いメラニン(pheomelanin)、もう一方には黒いメラニン(eumelanin)を入れました。これらにプラセンタを入れて培養したところ、黒いニューメラニンの試験管が白いメラニンのように変化しました。
このことから、プラセンタを用いれば黒いメラニンが白くなるということが分かりました。このメカニズムを用いれば日焼けを改善できるのではないかと期待されています。

団博士が立ち上げた学会のひとつ『国際毛髪抗加齢医学学会』では、脱毛をテーマに掲げて研究を行っています。
脱毛は、男性ホルモンが活性化されることが脱毛シグナルとなり、毛髪が抜けてしまうという理論が提唱されていましたが、男性ホルモンの全てを抑制すれば解決できるという問題ではありませんでした。
研究を続けると、脱毛のスイッチを入れる「TGF-β1(成長因子)」が発見され、TGF-β1をブロックすれば脱毛を抑えられるという考えに至りました。

さらに研究を進めると、TGF-β1の阻害剤を見つけることができました。
しかし、研究が進むにつれ、TGF-β1を阻害するだけでは脱毛を止められないと分かりました。脱毛を抑えるためには、さらに「FGF-5」も抑制しなければならないと明らかになったのです。
実際にマウスでFGF-5をブロックしたところ、毛が抜けなくなりました。そして、見つかったのが脱毛を促すファクターを疎外する「カラギーナ」でした。カラギーナは海藻から抽出された多糖類です。
研究を重ねると、プラセンタも脱毛抑制に関わっていることがわかり、カラギーナとプラセンタを配合したものを用いれば、脱毛抑制に効果があるとされたのです。実際に、その効果をマウスの実験を通して検証することもできました。

また、加齢が原因で薄毛になるメカニズムも分かってきました。年を重ねると毛乳頭幹細胞を維持するための17型コラーゲンが壊れていき、毛包がミニチュア化して塞がり、頭皮がフラットになってしまうとされています。
そうならないように、17型コラーゲンを保護するためにHSP47(コラーゲン専用のHSP)を作ればよいと考えられています。
そこで、HSP47を誘導することが、17型コラーゲンの保護作用になるのかを実験しました。
その結果、17型コラーゲンのmRNAと、HSP47のmRNAの動きが連動していることがわかりました。HSP47が上がると17型コラーゲンも上がったのです。
17型コラーゲンが作られるだけでなく、分解されないため脱毛を抑えられると考えられており、製品化が期待されています。

団博士は再生医療の研究にも取り組んでいるため、毛乳頭幹細胞を取り出し培養して増やす実験も行いました。その結果、ヌードマウスに毛を生やすことに成功しました。
毛乳頭幹細胞を培養すると、そこからたくさんの成長因子が出てくると分かっているので、それをヘアローションに加えることができれば、将来オーダーメイドのローションを作ることができます。
再生医療に関する研究には規制が厳しいのが現実ですが、多くの人に活用いただけるような形にできればと考えています。

癌とプラセンタ

癌とプラセンタ

癌は5mm以上の大きさでないと画像診断で見つけることができないにもかかわらず、最近では0.1mmでも転移の可能性があるといわれるようになりました。
これは、かなり早期に見つかっても進行癌(転移している可能性がある癌)になっている可能性があるということです。
その他、EMT変換(上皮細胞が間葉系細胞に変わること)に対してどのような処置をするのかという課題もあります。
EMT転換には、毛髪の分野でも取り上げたTGF-βが関わっているとされています。
癌の治療は、癌になってからでは遅いため、癌にならないように予防しなければなりません。

●肝臓癌

肝臓癌は化学療法(抗がん剤など)が効きにくいとされています。
また、抗がん剤などを多剤併用(薬を併用する)すると、副作用も強く出てしまいます。
しかし、抗がん剤が効きにくい癌でも、プラセンタで治癒を加えれば、副作用が出ることなく癌のスコアを1(脂肪肝レベル)で止めることが証明されています。

●胃癌・胃潰瘍

胃癌の前段階にいる胃潰瘍のマウスに、プラセンタを投与するとそのマウスが全治したという結果が出ました。さらに、プラセンタは転移後の癌にも効果あります。
転移に効く抗がん剤がなかったため、プラセンタが免疫療法の効果を高めるのではないかと期待されています。

●白血病

血液系の癌である白血病に対して、プラセンタをマウスに投与する実験を行いました。
白血病を治療しないままにしておくと、生存率は28日目で15%。
しかし、同じ癌細胞を植えた後でプラセンタを投与すると、58%まで延びるという結果がでました。この実験で、プラセンタによる延命効果が証明されたのです。

今までは病気になってから後投与する実験を行っていましたが、予防医学の観点から病気になる前に投与する実験も行いました。その結果、プラセンタを2週間与えたマウスに白血病を植え付けると、マウスは拒絶反応を示し生存率は75%まで伸びました。
前もってプラセンタを与えることで、後投与よりも高い抵抗性を示したのです。このことから、プラセンタには延命・予防効果があると考えることができます。

さらに、プラセンタを2週間投与してから癌細胞を植え付け、さらにその後も継続してプラセンタを投与すると、85%以上という高い生存率がでました。
予防をせずに癌細胞を植え付けた後にプラセンタを投与した場合に比べ、予防の段階からプラセンタを投与する方が癌への拒絶する力がより一層高まると実証されたのです。

●乳癌

免疫が作用されていない「ヌードマウス」に、ヒトの乳癌細胞を移植。
そのマウスにプラセンタを投与するという実験が行われました。すると、プラセンタを投与しない場合より、投与した場合の方が、約5分の1も乳癌が縮小したのです。

さらに、団博士の研究とは違った切り口として、顕微鏡で細胞を見ると正常かどうかを識別できる資格を持つ臨床検査技師に、発現抑制効果を測定してもらいました。
そのとき用いた腫瘍マーカーHer2には、数字が大きくなると癌が進行・悪化しているというスコアリングがあります。その腫瘍マーカーHer2で癌の発現抑制効果を判定するため、癌の部分を切り取りスライドに置き測定しました。
その結果、治療しない場合は末期癌といわれる2.6でしたが、プラセンタを治療に加えると早期発見癌といわれる1.1という数値がでました。

●肺癌

肺癌の転移についてもプラセンタの効果が証明されました。
転移に効く抗がん剤がない中、治療しないと約200個も転移する肺癌を、プラセンタを投与することで半分以下に抑えることができたため、優秀な結果であると評価されました。
プラセンタは再発・転移癌にも効果があると認められたのです。これは、病気が進行しないようにする「三次予防」に当たるといわれています。

樹状細胞ワクチン療法

正常なマウスから血液を採取し、そこにある樹状細胞をシャーレで培養し、断片化プラセンタを与える実験です。

試験管でプラセンタを取り込ませた樹状細胞がさまざまな目印をかざしている状態でマウスに戻し、癌を植え付ける実験を行いました。
そうすると、癌を拒絶することができました。
癌を植えているにも関わらず、癌を寄せつけることがなく、予防接種のような役割がみられたのです。
しかもこの実験では、1種類だけでなく、2種類目の癌にまで予防効果があることがわかりました。
今後、癌やそのほかの病気を予防する効果が期待されています。

発癌耐性を誘導するには、癌細胞に自らが死ぬこと(アポトーシス)を促す、細胞増殖性を低下させる、細胞老化を改善する、遺伝子エラーを修復する、ストレス応答などの抵抗力を高める、癌に対する炎症反応を起こさないように抑える、遺伝子レベルでは説明がつかない要因(DNAエピジェネティクス)を考える、などのファクターがあります。

また、癌とエクソソームが関係していることも明らかになりつつあり、研究は日々進歩しています。
団博士は、癌になる前から予防していくことこそが大切と考え、癌の撲滅に繋がる研究を進めていきます。

団克昭博士プラセンタ特別講演会を受講して

今回の講演会では、プラセンタの研究成果を聞くだけでなく、春になると気になる花粉症の知識を得ることもできました。アレルギー症状を抑えるためには、マスクなどだけでは不十分で、免疫を高めることが大切です。
花粉症の症状は人それぞれですが、きちんとメカニズムを理解して向き合うことが大切だと感じました。

今回も初めて参加された方が大勢いらっしゃいましたので、まだ団博士の講演を聞いたことのない方も気軽に参加してみてください。

※アビストアが提供する情報・画像等を、権利者の許可なく複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

(ライター:南條祐弥)

プラセンタとがんの関係について研究が進んでいます

プラセンタ講演会

美容業界で名前を聞くことの多い「プラセンタ」ですが、実は医療業界からも注目が集まっています。
新しい時代の医療の分野で、今後プラセンタの活躍が期待されています。

薬以外の選択肢を知ることで、自分らしい治療の実現に役立つ可能性があります。

プラセンタ講演会

一般社団法人 国際抗加齢免疫医学学会
理事長 団 克昭博士
プラセンタ講演会レポートバックナンバー

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団 克昭博士によるプラセンタ特別講演会

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参加は無料です。しつこい勧誘なども一切ございませんので、お気軽にご参加ください。
※講演の内容はプラセンタの一般的な効果であり、当ショップで扱う製品の効能を保証するものではありません。

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