「腸と病気」「腸力をアップさせる」【団克昭プラセンタ研究レポート2017年2月】

講演会

団 克昭博士の講演会が東京で開催されました。
講演会では、プラセンタの研究成果の発表に留まらず、自分の健康状態を把握するために便を活用できることなど暮らしに役立つ知識が紹介されました。

自分の現状を知ることは非常に大切です。病気の予防やアンチエイジングに繋がる情報が盛り込まれた講演会の内容をレポートにしましたので、ぜひご覧ください。

テーマ『病気にならない体づくり~予防医学の重要性~』
一般社団法人国際毛髪抗加齢医学学会・一般社団法人国際抗加齢免疫医学学会
理事長 団 克昭 博士 特別講演会

受講場所:ホテルニューオオタニ
受講期間:平成29年2月7日(13:00から15:00)

腸と病気

腸と病気

不規則な生活などを積み重ねると腸内フローラが悪化し、さまざまな疾患が発症するとされています。
腸内環境のバランスが崩れることは、不調の引き金になるため「たかが腸内環境」と軽視してはいけません。
腸が正しく働かなければ、大腸炎や大腸癌に繋がる恐れがあるのです。
今回は、腸に関するトラブルの中から「便秘」を取り上げて説明いたします。

便秘を種類で分類したとき、体の機能に問題がある病的なものなのか、緊張状態などで起こる一過性のものなのか、いろいろなケースが考えられますが、「慢性便秘」という習慣的な便秘で悩む人が多く存在していると考えられています。

さらに慢性便秘を分類すると、大腸の運動機能が低下したために起こる女性に多い「弛緩性便秘」、高齢者の方に多いとされる便意が起こらない「直腸性便秘」、ストレスに弱い人に多く便秘と下痢を繰り返す「痙攣性便秘」といった種類に分けることができます。
便秘によって引き起こされる症状はさまざまですが、腹痛や頭痛、肩こり、食欲不振、肌荒れ、痔、ポリープなどが挙げられます。また、悪性の場合は癌に発展してしまうケースも考えられます。

●便秘の原因

  • 胆汁の分泌が少ない。
  • 腸機能の低下。
  • ストレスを感じる。
  • 血液の循環が悪い。
  • 胃の働きが悪く、腸に負担がかかっている。

●便をチェックする方法

便には腸内環境が反映されると考えられているため、便をチェックすることで、健康状態を確認できることがあります。
便のチェックポイントを紹介しますので、ぜひ健康管理にお役立てください。

・色

野菜中心の食生活を送っていると便が酸性になり、黄褐色になります。
一方、肉中心の食生活を送ると便がアルカリ性に傾き茶褐色になります。黒色の場合は出血の疑いも考えられるため、特に注意が必要です。

・臭い

 腸内の悪玉菌が蛋白質を分解するときに硫黄臭が発生します。
臭いが少ない方が健康状態は良いとされています。

・形状

 便の形状は水分量で異なり、良い便は水に沈まないとされています。
やや硬めが良いとされており、長い形状で糞切れが良いものが、便として好ましいという尺度があります。

人間は60兆個の細胞から成り立っていますが、腸内細菌の数は100兆個と細胞の数を大きく上回ります。
また、毎日排泄されている便の60%が腸内細菌の死骸でできており、残りの40%は水分や食べ物のカスなどでできています。

腸内細菌のバランスという視点から考えた場合、着目すべき点は善玉菌と悪玉菌のバランスです。
理想は、善玉菌が15~30%、悪玉菌が5~8%、日和見菌が65~80%と考えられていますが、日和見菌は状況に合わせて優位な方に加勢するという性質を持つため、悪玉菌が多くなった場合は日和見菌も悪玉菌側につくことになります。

腸内環境の悪化

また、加齢とともに痩せにくくなる原因のひとつに、腸内細菌のバランスが悪玉菌優勢になってしまうことが挙げられます。
日和見菌の数は年齢を重ねても、一定の量をキープできますが、善玉菌は減り、悪玉菌は増える傾向があります。
これは、意識的に善玉菌を増やす工夫をしなければ、加齢とともに腸内細菌のバランスが崩れてしまうということです。
そのため、善玉菌が優位な状況を作っておくことが大切でしょう。

排便のアセスメント

腸内環境バランス

便秘には、水分と食事の問題や蠕動運動能力(腸が食べたものを押し出す力)の低下が関係しています。
さらに、年齢を重ねると腸から押し出す力が低下するため、排便に時間がかかる場合があります。
加齢によって、腹圧を上手にかけられなくなるのです。

便秘を改善する方法として、毎日一定の時間に便座に座ったり、下剤を使ったりする方法があります。
しかし、下剤を使用しすぎると常に便秘の状態が続く恐れがあります。
時には下剤の使用を中止すると良い場合もあるので、きちんと検討して活用しましょう。
一方、腸に直接力を加えられるマッサージを行って腸の状態を整える方法もあります。心地よい力加減で腸を刺激することが便秘解消に繋がります。

便秘解消には水分が重要とされています。
赤ちゃんのときには体重の90%が水であるとされており、新生児になると75%、子どもは70%、成人すると60~65%、老人になると50~55%と加齢とともに水分量は減少傾向にあります。
人間は汗や呼吸で1日当たり2.5ℓの水を排出しているため、水分は補わない限りどんどん体から失われていきます。
水は体と密接な関係があり、毎日2ℓの水を飲むのが好ましいと考えられています。

●水の役割

  • 汗によって体温を調整する。
  • 新陳代謝を促進する。
  • 解毒作用(デトックス)をもたらす。
  • 神経の興奮を鎮め、入眠しやすくする。
  • 体を目覚めさせる。
  • 利尿や排便を促進する。
  • 血液循環を促進する。

●腸力をアップさせる水の飲み方

  • 起床時、午前、午後、入浴前、就寝前に飲む。
  • 一度に大量に飲むのではなく、少しずつ複数回に分けて飲む。

世の中にはたくさんの便秘薬が出回っており、価格もまちまちですが、水分を吸収させることにより膨らませた便で腸に刺激を与える「膨張性薬剤」、硬くなった便を柔らかくする「便軟化剤・浸透圧性下剤」、腸の蠕動運動を助ける「刺激性下剤」の3種類に大きく分けることができます。

また、便秘の際に使用される漢方には、蠕動運動を促進する作用や水分を集める作用がある「大黄(アントラキノン系の大腸刺激性下剤)」「芒硝(Na2So4・10H2Oの俗称)」の2つが入っていることが多いとされています。

いずれも使用方法を間違えると、腸内環境を悪化させる可能性があります。自分の症状に合わせて薬や漢方を選ぶことがポイントです。

腸内環境に関する研究

腸内環境に関する研究

食事と腸内フローラには密接な関係があります。
事実、太りにくい人は善玉菌が優勢で、太りやすい人は悪玉菌が優勢ということが証明されています。
さらに、無菌マウスに正常なマウスの腸内細菌を入れた場合と、肥満したマウスの腸内細菌を入れた場合とで比較する実験を行いました。その結果、肥満したマウスの腸内細菌を入れられたマウスが太ってしまうという結果が出ました。

このことから、腸内細菌と体型は繋がっているといえます。
腸内細菌のバランスが崩れた状態では、体脂肪が増加してしまう可能性があるのです。
ピッツバーグ大学では、アメリカのファーストフード主体の食事をしている人たちと、アフリカの食物繊維が豊富な食生活を送っている人たちを集め、それぞれの食事を入れ替える実験を行いました。
1週間経過したところ、いつもアメリカの食事をしていた人たちは、アフリカの食生活に変えたことで腸内環境が改善され、アフリカの食生活からアメリカの食生活に変えた人たちは、腸内環境が悪化してしまいました。

胃で消化された食べ物は十二指腸に届き、さらに小腸や大腸に流れ最後には排出されます。大腸では水分を吸収しますが、そこで水分が吸収されなければ、重い便になってしまいます。
腸の働きが低下すると、小腸の栄養吸収力が低下し、出現したアリアケ菌が酸を作り、肝臓癌や大腸癌に繋がるとされています。小腸や大腸の機能の低下による悪い菌の増加は、大きな病気に発展する可能性があるのです。

腸には壁があり、そこに免疫系の反応と深く関わっている「パイエル板」というものがあります。パイエル板からの刺激でマクロファージや樹状細胞が働きだすと考えられており、パイエル板は免疫の宝庫といわれています。
免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」があります。
異物が入ってきたときに、マクロファージが溜め込み異物の侵入をT細胞に伝えます。その際に、T細胞が働くという二次反応が獲得免疫に当たります。
T細胞には、「ヘルパーT細胞」があります。
さらにヘルパーT細胞は、「Th1」「Th2」に分類されます。

腸内環境にとって、これらのバランスが非常に大切です。
Th2は、T細胞に指令を出し抗体を作らせますが、過剰に働くとアレルギー反応を起こしてしまいます。
一方、Th1を優位にすると、生体防御機構が上がるとされています。

現代人の食生活では、Th2が優位になりやすいとされているため、アレルギー反応や疾患で悩む人が増えていると考えることができます。
今後、パイエル板に乳酸菌を届けることで免疫能力を高められるように研究を進められています。

乳酸菌の研究の歴史

乳酸菌

乳酸菌の研究が進み、乳酸菌を体内に取り込もうという発想が起こりました。これは治療の発展に繋がる画期的な考えでした。そして、胃酸に強い乳酸菌を作り、腸まで届けるための開発が始まりました。
さらに、ビフィズス菌は死骸にも効果があることが明らかになり、適正菌を増やす環境と体づくりに注目が集まりました。団博士は、乳酸菌を小さくしてパイエル板に吸収させると良いと考えています。

脳の祖先は腸といわれており、「腸脳相関(脳と腸の相関関係)」という言葉があるくらい腸と脳は直結しています。
脳がストレスを受けると腸に伝わって腸の働きが悪くなり、腸の機能が低下すると脳に伝わってしまうのも腸脳相関のひとつです。

砂糖を摂りすぎると腸内環境が破壊されますが、その状況は脳にも伝わっており、記憶力の低下やアルツハイマーに繋がるとされています。
脳のエネルギー源は糖分ではありますが、摂取しすぎると危険です。
善玉菌である「ポリアミン」は老化防止に役立つと考えられています。腸内環境の改善は全身に良い影響をもたらすため、腸内環境を意識した生活習慣を送ることが大切でしょう。

予防医学

予防医学

プラセンタとは「胎盤」という臓器のことです。受精卵が着床後に、胎盤と胎児に細胞分裂してできます。
また、胎盤と胎児を繋ぐへその緒と呼ばれるものが「臍帯」です。
プラセンタには、タンパク質やアミノ酸、ビタミン、ミネラル類、各種の酵素など人間を構成するほとんどの成分が含まれています。

団博士は、「予防医学」をテーマに研究を進めています。
その中で、三大疾病(癌・心筋梗塞・脳卒中)、高血圧・糖尿病・高脂血症・肥満などの重篤な危険因子、毛髪や肌に対し、プラセンタが何らかの効果を及ぼすと確認されました。
なぜ、プラセンタはこれほどまで幅広い効果をもたらすのでしょうか。それは、プラセンタが長寿遺伝子、長寿ホルモン、腸管免疫、ストレス応答に作用するからだといわれています。

●長寿遺伝子(サーチュイン)

人間には「長寿遺伝子(Sirtuin)」というものがあり、長寿遺伝子Sirt1(サートワン)が活性化されれば、寿命が延びると分かっており、人間の場合、寿命が1.4倍延びるとされています。
長寿遺伝子Sirt1のスイッチをON状態にする方法として、カロリー制限があります。

そこで、食事制限をした生活を送るサルと、食事制限のない生活を送るサルを比較する実験が行われました。
その結果、同じ27歳のサルにもかかわらず、体つきが全く違うという結果が出たのです。写真を見るだけでも、体格や毛髪の様子などが異なるのが分かります。
この結果にも、長寿遺伝子が大きく関わっているとされており、長寿遺伝子をONにすることで、肥満予防や癌抑制に繋がると考えられています。また、プラセンタが長寿遺伝子を活性化することも研究で証明されています。

●長寿ホルモン(アディポネクチン)

女性の百寿者は、血液中の「アディポネクチン」の数値が高いということが研究で分かっています。アディポネクチンとは、正常な人の皮下脂肪にある小型脂肪細胞から分泌されるホルモンです。
しかし、脂肪細胞が肥大して肥大脂肪細胞になると、アディポネクチンを分泌しない細胞になってしまいます。
むしろ、インスリンに抵抗性を示すような物質をたくさん分泌するようになるとされています。アディポネクチンの完全体の分子は、体の中で使われていくと切れ端ができ、この断片が長寿に関わっていると判明しました。
プラセンタには、アディポネクチンの断片を効率よく作らせる働きがあり、この点でもプラセンタが長寿に効果があることがわかります。

「アディポネクチン欠陥マウス」で実験をしたところ、中性脂肪や血圧の数値が高くなりメタボリックシンドロームを呈しました。
これは、アディポネクチンがないために肥満になったという証明でもあります。
さらに、正常のマウスとアディポネクチン欠陥マウスの血管を比較したところ、アディポネクチン欠陥マウスのほうが硬くなっているというデータが出ました。
つまりアディポネクチンは動脈硬化を直接的に抑制してくれるということです。高脂肪食に偏った食生活を送ると、中性脂肪の値が上がってしまいますが、アディポネクチンを与えると調整されて値が正常域に下がることも分かっています。

最近、アディポネクチンの効果が明らかになってきました。血管拡張作用によって塩分を排出するため、高血圧や動脈硬化に良い影響を与えるほか、燃焼効果によって肥満予防にも繋がります。
胃癌のマウスにアディポネクチンを与えると腫瘍が小さくなり、糖尿病患者に与えた場合には、インスリンの効きが良くなるとされています。
インスリンの感度を上げることで血糖値をコントロールできるのです。このことから、さまざまな体の不調にアディポネクチンが関わっているといえるでしょう。

●腸管免疫

人は一生の間で70tもの食べ物を食べます。高脂肪食ばかりを食べていると腸内環境が乱れますが、プラセンタは腸内のバランスを整えてくれるとされています。
人間は、腸内細菌やウイルスが入ると腸管免疫で排除します。腸内細菌の種類には善玉菌(ビフィズス菌など)、悪玉菌(大腸菌など)、日和見菌などがありますが、日和見菌は優位なほうに加勢する動きをするため、腸内環境のバランスは悪玉菌が優勢な状態になりやすいのが現状です。
そのため、高脂肪食ばかりを食べると、悪玉菌が増え善玉菌が減りアンバランスな状態になってしまいます。しかし、そこにプラセンタを用いれば、本来のバランスに整えてくれるといわれています。

腸内細菌を、大きくタイプ分けをすると「グラム陰性菌」と「グラム陽性菌」に分かれます。
通常の食生活を送っている場合はプラセンタの影響をそれほど大きく受けませんが、高脂肪食を食べている場合はプラセンタによって良い影響を受けるというデータがあります。

腸管の中に免疫に関わるパイエル板があります。
テレビコマーシャルなどで「乳酸菌が生きて腸まで届く」といった表現を聞いたことがあるかもしれませんが、たとえ腸に乳酸菌が届いたとしても、パイエル板で吸収されているかは分からないという考え方もあり、確実とはいえないのが現状だそうです。
そこで団博士が注目しているのが「ナノ乳酸菌®」です。

乳酸菌の粒の大きさに着目した場合、大きい粒の乳酸菌は吸収されにくく、小さい粒の乳酸菌ほど吸収されやすいという結果が出ています。今後、パイエル板に乳酸菌を届けることで免疫能力を高められるように研究を進めていきたいと考えています。

●ストレス応答

ストレス応答とは、ストレスを受けたときに、元に戻そうと反発する力のことです。37度くらいの体温で生活している人間の細胞に45度の熱(強いストレス)を与えると、細胞死を起こしますが、体温の限界である42度を経験した細胞に、45度の熱を浴びさせても細胞死は起こりません。
これは、細胞が抵抗性を獲得し、細胞保護作用が起こったからだと考えられています。熱によって形成された抵抗物質は、「ヒートショックプロテイン(HSP)」と呼ばれており、プラセンタは最も代表的なHSPである「HSP70」を誘導するとされています。

アルツハイマーは不治の病といわれていますが、HSP70の数値を引き上げておけば、認知機能が改善したというデータがあります。認知能力の低いマウスを円形プールに入れる実験が行われました。
プールの中には、隠れ踏み台(ゴール)があり、正常なマウスならば溺れないように、その踏み台から外へ逃げることができますが、アルツハイマーモデルマウスは、そこに辿り着くことが難しく、何分もプールをさまよいます。

しかし、アルツハイマーモデルマウスにプラセンタを投与し、HSP70の数値を引き上げておけば、プールに入れても早い段階で踏み台に到達できるようになったのです。これは、アルツハイマーが回復したということを意味します。
アルツハイマーは不治の病といわれていますが、生体が持っているストレス応答という能力を高めておくだけで改善できるかもしれない。そして、プラセンタがそれに貢献できるかもしれないのです。

団博士が研究に取り上げているストレス応答機構には「分子シャペロン(フォールディング、ヒートショックプロテイン)」「小胞体ストレス(ストレス適応反応)」「オートファジー(分解処理、防御機構)」があります。今回は、大隅良典先生がノーベル医学・生理学賞を受賞したとして話題のオートファジー(Autophagy)についてご紹介します。

オートファジーとは、古くなった細胞が栄養不足に陥ったとき、自分の体を構成している蛋白質をアミノ酸にまで分解し、それを自分の栄養源として溜め込み、生きながらえることです。
オートファジーの役割は多岐に渡りますが、メカニズムが徐々に解明されてきており、人間にどのように活かしていくかを研究する段階に差し掛かっています。生命を維持したり、細胞分裂をしたりするときにオートファジーの活性化は必須で、オートファジーはアンチエイジングやメタボリックシンドロームだけに留まらず癌の抑制などにも関わっていると考えられています。

オートファジーは、細胞自身が飢餓状態に陥ったときに、細胞自身の蛋白質を栄養源にして生きながらえようとする能力を持ちます。そのとき、「オートファゴソーム」が生成され、細胞の中にある処理するべき古くなった蛋白質をくるみこむという現象が起こります。
細胞の中には「リソソーム」という分解酵素が入っており、オートファジー、オートファゴソームと融合し、酵素を吐き出し分解処理をしてくれます。プラセンタをある細胞に振りかけると、オートファジーを誘導することができることも証明されており、プラセンタにおいても、証明された事実をどのように活かすかが重要です。

血管内皮細胞

血管内皮細胞

三大疾病(癌・心筋梗塞・脳卒中)のうち、心筋梗塞と脳卒中は原因が共通しており、両方とも動脈硬化の影響を受けています。
高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙などの危険因子が重なっていくと、血管内皮細胞が障害を受けて動脈硬化に繋がるのです。

プラセンタが、血管の壁にどのような影響を与えるのかも研究しています。
血管は、高脂血症で悪玉コレステロール(LDL)がたくさん流れる状態が続くと、性質が変わってきて、物が通過しやすくなります。すると、さらにLDLが流れ込み、酸化LDLになると、身体が異物と判断して免疫反応を起こします。
マクロファージが異物を掃除してくれるのですが、どんどん入ってくるため、掃除しきれず、悪い細胞になってしまいます。それが、血管の壁を持ち上げたり、壁を破って血流に乗って流れたりしてしまうのです。

プラセンタが酸化反応を抑えることは分かっていますが、今後はマクロファージへの分化誘導について、より深い研究をする必要があると考えています。
また、葉酸が減ってくると血管障害を引き起こすことが分かってきています。
つまり、葉酸値が高ければ、血管障害が起きにくくなるということです。葉酸値に関しても、プラセンタを食べさせていたマウスの葉酸値が高くなったという結果が出ています。

日焼けと脱毛

日焼けと脱毛

日焼けの際に話題に挙がる「メラニン」は、いつも悪者扱いされていますが、実際は紫外線からバリアする役割を持つもので肌を守る働きをしてくれています。
そこで、「メラノサイト」というメラニンを作らせる細胞を試験管に沈めて実験を行いました。メラニンには2種類あり、ひとつの試験管には白いメラニン、もう一方には黒いメラニンを入れました。
これらにプラセンタを入れて培養したところ、黒いニューメラニンの試験管が白いメラニンのように変化しました。
このことから、プラセンタを用いれば黒いメラニンが白くなるということが分かりました。このメカニズムを用いれば日焼けを改善できるのではないかと期待されています。

団博士が立ち上げた学会のひとつ『国際毛髪抗加齢医学学会』では、脱毛をテーマに掲げて研究を行っています。
脱毛は、男性ホルモンが活性化されることが脱毛シグナルとなり、毛髪が抜けてしまうという理論が提唱されていましたが、男性ホルモンの全てを抑制すれば解決できるという問題ではありませんでした。
研究を続けると、脱毛に働く「TGF-β1(成長因子)」が発見され、TGF-β1をブロックすれば脱毛を抑えられるという考えに至りました。

さらに研究を進めると、TGF-β1の阻害剤を見つけることができました。
しかし、研究が進むにつれ、TGF-β1を阻害するだけでは脱毛を止められないと分かりました。脱毛を抑えるためには、さらに「FGF-5」も抑制しなければならないと明らかになったのです。
実際にマウスでFGF-5をブロックしたところ、毛が抜けなくなりました。そして、見つかったのが脱毛を促すファクターを疎外する「カラギーナ」でした。カラギーナは海藻から抽出された多糖類です。
研究を重ねると、プラセンタも脱毛抑制に関わっていることがわかり、カラギーナとプラセンタを配合したものを用いれば、脱毛抑制に効果があるとされたのです。実際に、その効果をマウスの実験を通して検証することもできました。

また、加齢が原因で薄毛になるメカニズムも分かってきました。年を重ねると毛乳頭幹細胞を維持するための17型コラーゲンが壊れていき、毛包がミニチュア化して塞がり、頭皮がフラットになってしまうとされています。
そうならないように、17型コラーゲンを保護するためにHSP47(コラーゲン専用のHSP)を作ればよいと考えられています。そこで、HSP47を誘導することが、17型コラーゲンの保護作用になるのかを実験しました。

その結果、17型コラーゲンのmRNAと、HSP47のmRNAの動きが連動していることがわかりました。HSP47が上がると17型コラーゲンも上がったのです。17型コラーゲンが作られるだけでなく、分解されないため脱毛を抑えられると考えられており、製品化が期待されています。

団博士は再生医療の研究にも取り組んでいるため、毛乳頭幹細胞を取り出し培養して増やす実験も行いました。
その結果、ヌードマウスに毛を生やすことに成功しました。
毛乳頭幹細胞を培養すると、そこからたくさんの成長因子が出てくると分かっているので、それをヘアローションに加えることができれば、将来オーダーメイドのローションを作ることができます。

再生医療に関する研究には規制が厳しいのが現実ですが、多くの人に活用いただけるような形にできればと考えています。

癌とプラセンタ

癌とプラセンタ

癌は5mm以上の大きさでないと画像診断で見つけることができないにもかかわらず、最近では0.1mmでも転移の可能性があるといわれるようになりました。
これは、かなり早期に見つかっても進行癌(転移している可能性がある癌)になっている可能性があるということです。その他、EMT変換(上皮細胞が間葉系細胞に変わること)に対してどのような処置をするのかという課題もあります。
EMT転換には、毛髪の分野でも取り上げたTGF-βが関わっているとされています。癌の早期発見は難しいので、癌にならないように予防しなければなりません。

●肝臓癌

肝臓癌は化学療法(抗がん剤など)が効きにくいとされています。
また、抗がん剤などを多剤併用(薬を併用する)すると、副作用も強く出てしまいます。
しかし、抗がん剤が効きにくい癌でも、プラセンタで治癒を加えれば、副作用が出ることなく癌のスコアを1(脂肪肝レベル)で止めることが証明されています。

●胃癌・胃潰瘍

胃癌の前段階にいる胃潰瘍のマウスに、プラセンタを投与するとそのマウスが全治したという結果が出ました。
さらに、プラセンタは転移後の癌にも効果あります。
転移に効く抗がん剤がなかったため、プラセンタが免疫療法の効果を高めるのではないかと期待されています。

●白血病

血液系の癌である白血病に対して、プラセンタをマウスに投与する実験を行いました。
白血病を治療しないままにしておくと、生存率は28日目で15%。しかし、同じ癌細胞を植えた後でプラセンタを投与すると、58%まで延びるという結果がでました。この実験で、プラセンタによる延命効果が証明されたのです。

今までは病気になってから後投与する実験を行っていましたが、予防医学の観点から病気になる前に投与する実験も行いました。
その結果、プラセンタを2週間与えたマウスに白血病を植え付けると、マウスは拒絶反応を示し生存率は75%まで伸びました。前もってプラセンタを与えることで、後投与よりも高い抵抗性を示したのです。
このことから、プラセンタには延命・予防効果があると考えることができます。

さらに、プラセンタを2週間投与してから癌細胞を植えつけ、さらにその後も継続してプラセンタを投与すると、85%以上という高い生存率がでました。
予防をせずに癌細胞を植え付けた後にプラセンタを投与した場合に比べ、予防の段階からプラセンタを投与する方が癌への拒絶する力がより一層高まると実証されたのです。

●乳癌

免疫が作用されていない「ヌードマウス」に、ヒトの乳癌細胞を移植。そのマウスにプラセンタを投与するという実験が行われました。
すると、プラセンタを投与しない場合より、投与した場合の方が、約5分の1も乳癌が縮小したのです。

さらに、団博士の研究とは違った切り口として、顕微鏡で細胞を見ると正常かどうかを識別できる資格を持つ臨床検査技師に、発現抑制効果を測定してもらいました。
そのとき用いた腫瘍マーカーHer2には、数字が大きくなると癌が進行・悪化しているというスコアリングがあります。
その腫瘍マーカーHer2で癌の発現抑制効果を判定するため、癌の部分を切り取りスライドに置き測定しました。

その結果、治療しない場合は末期癌といわれる2.6でしたが、プラセンタを治療に加えると早期発見癌といわれる1.1という数値がでました。

●肺癌

肺癌の転移についてもプラセンタの効果が証明されました。
転移に効く抗がん剤がない中、治療しないと約200個も転移する肺癌を、プラセンタを投与することで半分以下に抑えることができたため、優秀な結果であると評価されました。
プラセンタは再発・転移癌にも効果があると認められたのです。これは、病気が進行しないようにする「三次予防」に当たるといわれています。

樹状細胞ワクチン療法

正常なマウスから血液を採取し、そこにある樹状細胞をシャーレで培養し、断片化プラセンタを与える実験です。試験管でプラセンタを取り込ませた樹状細胞がさまざまな目印をかざしている状態でマウスに戻し、癌を植え付ける実験を行いました。
そうすると、癌を拒絶することができました。
癌を植えているにも関わらず、癌を寄せつけることがなく、予防接種のような役割がみられたのです。

しかもこの実験では、1種類だけでなく、2種類目の癌にまで予防効果があることがわかりました。
今後、癌やそのほかの病気を予防する効果が期待されています。

発癌耐性を誘導するには、癌細胞に自らが死ぬこと(アポトーシス)を促す、細胞増殖性を低下させる、細胞老化を改善する、遺伝子エラーを修復する、ストレス応答などの抵抗力を高める、癌に対する炎症反応を起こさないように抑える、遺伝子レベルでは説明がつかない要因(DNAエピジェネティクス)を考える、などのファクターがあります。

また、癌とエクソソームが関係していることも明らかになりつつあり、研究は日々進歩しています。
団博士は、癌になる前から予防していくことこそが大切と考え、癌の撲滅に繋がる研究を進めていきます。

団克昭博士プラセンタ特別講演会を受講して

今回の講演会では、プラセンタの研究成果を聞くだけでなく、便のチェックポイントや水分の摂り方など、生活に活かせる知識を得ることができました。健康は、毎日の小さなことの積み重ねです。
便秘は腸内環境が崩れているサインととらえ、病気にならないように生活習慣を見直すことが大切だと感じました。
今回も初めて参加された方が大勢いらっしゃいましたので、まだ団博士の講演を聞いたことのない方も気軽に参加してみてください。

※アビストアが提供する情報・画像等を、権利者の許可なく複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

(ライター:南條祐弥)

プラセンタとがんの関係について研究が進んでいます

プラセンタ講演会

美容業界で名前を聞くことの多い「プラセンタ」ですが、実は医療業界からも注目が集まっています。
新しい時代の医療の分野で、今後プラセンタの活躍が期待されています。

薬以外の選択肢を知ることで、自分らしい治療の実現に役立つ可能性があります。

プラセンタ講演会

一般社団法人 国際抗加齢免疫医学学会
理事長 団 克昭博士
プラセンタ講演会レポートバックナンバー

▼参加ご希望の方は、こちらより必ずご予約をお願いいたします。
団 克昭博士によるプラセンタ特別講演会

※ご参加の方全員に、無料サンプルをプレゼント中!
参加は無料です。しつこい勧誘なども一切ございませんので、お気軽にご参加ください。
※講演の内容はプラセンタの一般的な効果であり、当ショップで扱う製品の効能を保証するものではありません。

SNSでもご購読できます。