病気を治療したり症状を緩和させたりする方法には「対症療法」と「原因療法」というものがあり、多くの医療機関では、西洋医学に基づいた「対症療法」を中心に行ってきました。
しかし、近年では、「対症療法」だけで良いのか? と疑問視されています。
病気の箇所だけに着目するのではなく、心身全体を診る「原因療法」を中心とした相補・代替医療が重要という考えが広まりつつあり、「統合医療」に注目が集まっているのです。
今回は、最近話題の統合医療についてお伝えいたします。
対症療法、原因療法、相補代替医療を統合して行う治療のこと
一般社団法人日本統合医療学会のホームページによると、
統合医療とは、さまざまな医療を融合し患者中心の医療を行うものです。科学的な近代西洋医学のみならず、伝統医学と相補・代替医療、さらに経験的な伝統・民族医学や民間医療なども広く検討しています。
(一般社団法人 日本統合医療学会ホームページより引用)
とされています。
(「相補代替医療」とは、運動やエクササイズ、サプリメントや健康食品、漢方などの伝統医学などの総称です。)
つまり、統合医療とは、「対症療法」「原因療法」「相補代替医療」を統合し、それぞれの患者に適切な治療を行おうとするものす。
ここで大切なのは、「特定の治療法を指すのではない」ということです。
統合医療において重要なことは、さまざまな療法をコーディネートやオーダーメイドをするような姿勢をとることであり、患者中心主義に基づいていることこそが統合医療の特徴です。
患者が求める適切な医療は十人十色ですし、同じ患者であっても求める治療が変化していくこともあります。
そのときに、統合医療の考え方は選択の幅を広げてくれます。
そのため、患者の気持ちを配慮した、患者のためにコーディネートされたオーダーメイドの治療法は、生活の質(QOL)の向上にも繋がるとされているのです。
さらに、超高齢社会が懸念されている日本にとっては、医療を「治療」だけのために用いるのではなく、病気の予防への活用が課題となっています。
「対症療法」だけでもなく、「原因療法」だけでもない。それぞれの良いところを組み合わせた統合医療は、ますます重要になるでしょう。
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