「右の脇腹が痛い」
「最近、肩こりがひどい」
「突然、左目が痙攣しだした」
そんな時、病院に駆け込む前にまずインターネットで検索する人は多いのではないでしょうか?
症状の原因、可能性のある病気、対処法、同じ症状があった人の体験談。
インターネットには膨大な情報があり、探している情報には比較的簡単にたどり着くことができます。
え、もしかして重大な病気じゃない?
とむやみに情報を信じてしまうのも考えものです。
逆に、やれやれ、これで大事にならずに済んだ。
と、安易に胸をなでおろすのは危険かもしれません。
目次
ヘルスリテラシー、あなたにはありますか?
インターネットを使った情報収集が上手い人や、電子機器の使い方の知識があり、使いこなせている人のことを「ITリテラシーがある人」などと言います。
同様に、世の中にあふれる健康情報の中から、正しい部分をきちんと取り出し、活用することのできる人を「ヘルスリテラシーがある人」と呼ぶことがあります。
この「ヘルスリテラシー」、特に日本人には低い人が多いのです。
情報の非対称性が生み出す、立場の上下
そもそも、人と人がコミュニケーションを取る際、両者が同様に情報を持っている場合には、問題はありません。
しかし、お互いに持っている情報が非対称であれば、どうでしょう?
(以下の話は、完全なフィクションです)
例えば、AくんとBさんが話をしているとします。
A「Bさん、最近爪が白く変色しているんだ。栄養失調ってことはないと思うけど、少し心配だな」
B「Aくん、それ危ないんじゃない? 爪の色が変わるって『がん』だって小さいころにおばあちゃんに聞いたことがある」
A「えーっ、嘘。怖いこと言わないでよ」
もちろん、爪の色が変わったからといってがんであるとは言えません。
そんな根拠はどこにもないのです。
では、Aくんがインターネットでそのことを調べてみたとします。
すると、最初に見た記事で、実際に爪の色が変わったがん患者の話があったとします。
そこでいよいよ、Aくんは心配になってきます。
心配になったAくんは、医学部に通う兄に相談を持ちかけます。
A「お兄ちゃん、僕の爪の色が白く変色しているんだけど、がんの可能性があるのかな?」
Aくんのお兄さんは、冗談半分で誇張した表現をしました。
兄「絶対ないとは言い切れない。今は若い人のがんも多いし、若いと進行も早いから、気をつけたほうがいいかも」
そこでいよいよAくんは心配になってしまいました。
もしAくんにヘルスリテラシーがあったら、Aくんはもっと冷静に対応できたはずです。
では、Aくんが確認するべきだったポイントを挙げてみます。
ヘルスリテラシーを向上するためのポイント
情報元の信頼性を疑うべきだった
Aくんは、最初にBさんが言った「おばあちゃんに聞いた」という曖昧な情報を鵜呑みにしてしまいました。
おばあちゃんはもちろん医者ではありません。
また、「昔聞いた」話であり、情報も古かったのです。
サプリメントの宣伝のためのサイトだった
Aくんが見つけたサイトは、実は爪のサプリメントを販売する会社のブログでした。
嘘を書いているわけではなかったものの、偏った情報が書かれていました。
Aくんはそのことを考慮せずに、書かれていた情報を信じこんでしまったのです。
※ちなみに、弊社はプラセンタサプリメントの販売をしております。それでも、読者の皆様にできるだけ中立的な、そして正しい情報をお届けできるように努めています。
不調、病気に特効薬はありません。
生活習慣、そして病気への心の持ちようが、健康に繋がると信じています。
薬も、サプリメントも、健康のお手伝いをするだけです。
他の情報と比べなかった
Aくんは、自分で調べ始めた時に、一番最初に見た情報が正しいと思い込んでしまいました。
冷静に他のサイトを見比べていれば、その情報は偏った側面から見た情報だとわかったはずです。
医者にかかる時にもセカンドオピニオンの大切さについてはよく言われることです。
その情報が嘘ではないにしても、見方が偏っていないか、様々な情報源から判断するべきです。
以上のような要件が重なって、Aくんは兄にからかわれていることにも気がつけませんでした。
これがもし、本当に重大な病気だったり、ヘルスリテラシーがないせいで逆に症状を悪化させてしまったら、本当に怖いですよね。
情報が簡単に手に入る時代だからこそ、私たち一人ひとりがきちんと情報をより分け、正しく扱う力をつけることが大切です。
(ライター:陽月深尋)
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