幸福感にもっとも必要なのは「健康」であるという事実

幸福度

「幸せになりたい」。
それは、ほとんどすべての人の願いであると言ってもいいでしょう。
私たちは、幸せになるために日々生きているとさえ言えるかもしれません。

では、「幸せ」とは何でしょう?
その漠然とした言葉の定義は、人によって違います。

愛を手に入れること?
お金? 地位? 名誉?

厚生労働省の調査によると、日本人が幸福感を測る際にもっとも重視することは「健康」でした。
「健康」は、ふだん私たちの近くにあるためにありがたみを感じにくいことでもありますが、なくしてはじめてその大切さがわかるというもの。

『人生にとって健康は目的ではない。しかし、最初の条件なのである』と言う言葉をかつて武者小路実篤が残したといいます。

今回は、日本人の「健康観」についての調査結果を2回に分けて見ていきたいと思います。

(参考:「健康意識に関する調査」の結果を公表」厚生労働省
※調査期間、調査方法、回答数などについては上記サイトをご覧ください。

日本人の「幸福感」と健康の重要性

日本人の「幸福感」と健康

日本は他の国と比べて幸福度が低い国と言われています。

「世界幸福度報告書2017」で、日本の幸福度は155カ国中51位でした。
これを低いと見るかそこそこと見るかは個人差がありますが、日本のように飢える人もいなければ、戦争もない、寿命も長い国が51位というのは、低い気がします。

幸福度はあくまでも主観によるところが大きいのも事実。
日本人は、同じ条件でも幸福を感じにくい国民性なのかもしれません。

今回の調査では、自分の幸福感を点数化したところ、日本人の平均点は6.38点/10点だったそうです。

そんな日本人が幸福度を測る際に重要視するのが、「健康」です。
調査結果によると、幸福感の判断材料に「健康」を挙げた人が54.6%、次いで「家計の状況」が47.2%、「家族関係」が46.8%でした。

自分の健康状態についての意識

日本人の幸福度を大きく左右する「健康」ですが、自分を健康だと感じている人はどれくらいいるのでしょう。

健康状態

自分の健康状態について、「健康なほうだと思う」と答えた人が一番多く、66.4%いました。

しかし、「健康に対して何らかの不安を持っているか」の問いに対して「ある」と答えた人が61.1%いたことから、健康な方だと思ってはいても、健康に関して何らかの不安を抱えている人がいることも明らかになりました。

日常生活に支障がない程度も含めると、多くの人は多少の不調を抱えて生きていると言えるでしょう。

「健康」の定義

自分が「健康」であることを判断する材料として挙げられた事項は、「病気がないこと」が63.8%でトップになりました。
病気とそうでない状態を分けることは難しいですが、この場合は日常生活に支障がある状態と判断してよいかもしれません。
次いで「美味しく飲食できること」40.6%、「身体が丈夫なこと」40.3%でした。

健康にとってリスクとなること

さらに、自身の健康を脅かす可能性があることとして、「生活習慣病を引き起こす生活習慣」が41.9%となり、2位以下の「加齢(17.3%)」「災害や交通事故といった不慮の事故(11.7%)」を大きく引き離しました。

手軽にインスタント食品や外食で食事を済ませられるようになったことで、食生活が乱れる人が少なくありません。
また、ITの発達によるデスクワークの増加で、慢性的な運動不足も問題になっています。

これらの生活習慣の乱れが健康を損なうことを自覚しつつも、なかなか改善できていないのが現状でしょう。

健康情報源、その信用度と接触度

健康情報源

あらゆる場所に情報があふれ、簡単に手に入れられるようになった時代。
情報を受け取る側にリテラシーが求められ、情報の適切な取捨選択が必要になっています。

そんな中、人々が信頼を置いている情報源は以下のようになりました。(回答のうち「非常に信用している」「まあ信用している」の合計)

  • 1位:かかりつけの医師
  • 2位:大学や病院、診療所
  • 3位:家庭向け医学書
  • 4位:新聞
  • 5位:テレビ、ラジオ

手軽なインターネットの信用度は、12の選択肢のうちで8位でした。

誰でも情報発信ができ、誰でも簡単に情報にアクセスできる今でも、いえ今だからこそ、専門家の意見がより重要視されているようです。

では一方で、人々が情報を手に入れる方法でよく利用されているものは何でしょう。
その情報源に「いつも接している」という回答が最も多かったのは、インターネットです。

信頼度が高くない一方で、もっとも身近でよく使われる情報源がインターネットでした。
これはインターネットを使って情報を発信する人間が正しい情報を伝えるのはもちろん、正しい情報を選び取る能力が受け手に求められていることも示していると言えるでしょう。
このことは「ヘルスリテラシー(健康情報を見極める力)を身につける」でもお伝えしました。

次回は、人々の生活習慣の実態と、健康のためにしている行動についての調査結果をお届けします。
⇒「健康のために生活習慣に気をつける人、気をつけない人

(ライター:陽月深尋)

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