「ダイエット」で不健康になる日本人

ダイエット

「何の苦労もなく、副作用もなく、しかも無料で五キロ痩せられます」
そう言われたら、あなたはその話に乗りますか?

とにかくダイエットをしたい日本人

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ある調査によると、日本人のうち実に8割近くの人々が、「自分にはダイエットが必要だ」と感じているそうです。
しかも、BMI値(脂肪指数)が正常値で、標準体重の人でも7割近くの人がダイエットの必要性を感じています。

そして実際に、女性のうちの9割がダイエットの経験があると答えています。
筆者は、これは日本人の国民性に大きく関連しているのではないかと思っています。

日本人には、「空気を読む」「周りに合わせる」という国民性があります。
これは、協調性に富み、相手を思いやるという意味では素晴らしい性向です。

けれど、ひとたび異分子を発見するとこれみよがしに攻撃したり、責任を取ることから目を逸らそうとしてしまう性向も持ち合わせています。
もちろん傾向的な話で、日本人全てにあてはまることではありませんが、日本人はこのように周りからの欲求に沿うように生きることが美徳とされています。

  • メディアがダイエットをもてはやすから、自分もやる。
  • 痩せていると、周りからの評価があがる。
  • 友人のあの人がダイエットを始めたから、自分もやらなくてはいけない。
  • 仲の良いグループで自分が一番太っているから、自分が一番魅力がない。

このように、「痩せる」ことがステータスのようになり、
「痩せたい」という手段が目的になってしまっているのです。

海外からの総ツッコミ

吹き出す男性
そんな日本人のダイエット観は、海外の人々からすると突っ込みどころ満載のようです。

日本人って、カロリーだけを気にし過ぎじゃない?

カロリーはダイエットの敵、というのはもはや日本人にとって常識ともいえるのではないでしょうか。
海外の人からすると、それが不思議でたまらないそうです。
ケーキを食べても食事を抜けば大丈夫、というダイエット法はもはや古いですが、
飲食店やコンビニ食品でもカロリーの低いメニューは男女問わず人気ですし、0カロリーの食品がつぎつぎと販売されています。
0カロリーのゼリーに使われる人工甘味料が内蔵の働きを悪くすると聞いてから、筆者は0カロリーのゼリーを一切口にしなくなりました。

しかし、確かに日本には「カロリー神話」が根付いているようです。

「◯◯だけダイエット」に振り回されすぎじゃない?

りんごダイエット
バナナダイエット
トマトダイエット
酵素ジュースダイエット
炭水化物抜きダイエット
プチ断食
レコーディングダイエット
ビリーズ・ブートキャンプ
などなど……

これまで数えきれないほどのダイエットブームが来ては、流行語のように忘れ去られていきます。
そう、「◯◯だけダイエット」が悪いわけではないのです。
すぐに飽きて次のダイエット方を探すだけでは、結果も出るはずがありません。
極端な食生活をすることで、不健康になってしまうことだってあります。

体重ばかり気にしすぎていない?

ダイエット中は、500gでも増えたら悲しい気持ちになるものです。
でも、体重が重くても見た目が引き締まってスラリとしている人と、折れそうなほど細い手足をしているけれど、顔はむくんでお腹も出ている人と、どちらになりたいでしょうか?

体重が書かれたプラカードを首から下げて歩くわけではありません。
数字はあくまでも目安の一つと考え、自分の健康や、見た目の美しさを優先させてはいかがでしょう?

不健康でも、痩せればいい?

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そもそも、みんなどうしてそんなに痩せたいのでしょうか?
全国18〜65歳の男女を対象に調査をした結果、以下の回答が上位にあがっています。(サニーヘルス調べ)

1位「健康の維持のため」(91%)
2位「体型の維持のため」(85%)
3位「体の動きを軽くするため/体重過多による関節や筋肉への負担の低減のため」(80%)

回答結果からは、「健康になるため」「美しいボディラインを維持するため」の手段として痩せたいと思っている人が多いようです。

けれど、回答を二十代に限ってみると、痩せたい目的が一変します。
「ウエストや太ももなどの部分やせ/スタイルを良くするため」
「異性にモテたい」
「性格、生活を変えたい」
などが上位にあがってきます。

ここでいうスタイルの良さとは、「体型の維持」とは違い、明らかに雑誌に掲載されるモデルなどを意識しているのでしょう。
また、「異性にモテたい」「性格を変えたい」などは、痩せたからと言って実現するものではありません。痩せることをきっかけとして、自分の日常に新しい風が吹くことを期待しているのです。

それにもかかわらず、「痩せることがすべてを解決してくれる」と考える人が少なくありません。

今一度、「どうして痩せたいのか?」と自分に問い直すことで、間違ったダイエットをせずに済むのではないでしょうか。
自分をいじめすぎずに、こころもからだも健康になりましょう!
こころが元気だと、見た目も魅力的になりますよ。

(ライター:陽月深尋)

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