「プラセンタ」と謳っているのにプラセンタではない!?プラセンタの種類と特徴

プラセンタとは「胎盤」という臓器のこと。受精卵が着床後に、細胞分裂してできるものです。プラセンタには、蛋白質やアミノ酸、ビタミン、ミネラル類、各種の酵素など人間を構成するほとんどの成分が含まれており、体に良い影響をもたらすと注目されています。

実際、世の中には多くのプラセンタ製品が販売されています。しかし、「プラセンタ」と謳っていても本当の意味ではプラセンタではない製品も並んでいます。今回は、プラセンタ特別講演会で紹介された「プラセンタ種類と特徴」についてお伝えします。

プラセンタの種類と特徴

プラセンタの素材として豚、馬、植物、海洋性生物、そのほかに牛や羊などさまざまな素材が出回っています。

牛はBSE(狂牛病)が発生してから使用が禁止されています。

羊の胎盤は人間のアミノ酸構造と似ていて、拒否反応が起こりにくいため科学的に良質な素材とされていましたが、伝染病などの理由で使うことができなくなりました。日本国内では羊由来の原料の使用に制限がかかっています。

植物

植物由来のプラセンタ製品もありますが、そもそも哺乳類のものでないと胎盤とは呼びません。おそらく植物由来のものは、「胎座」という胎盤と似た働きをするものをプラセンタと呼んでいるのだと思われます。効能を完全に否定するわけではありませんが、成長因子は存在しないと考えられています。

海洋性生物

海洋性生物を扱っているプラセンタ製品もありますが、厳密にいえば魚には胎盤がないため「海洋性プラセンタ様物質」というのが限界だと考えます。アミノ酸配列が異なるうえ、安定供給は難しいでしょう。

馬は1年に1回1頭しか出産しないため、安定供給という視点から見ると、胎盤を少ししか入手できないというデメリットがあります。ストレスに弱いため、飼育が難しいのもデメリットです。

ヒト

ヒトプラセンタのなかで、医薬品として認可されているのは、肝機能障害に効果がある「ラエンネック」と更年期障害改善が期待できる「メルスモン」です。しかし、感染症の恐れが否定できないとの理由から、一度でも注射を受けると献血ができないと厚生労働省が定めており、安全性に関して疑問が残っています。

ヒトプラセンタの注射を活用している人がいるかもしれませんが、どんなに効能が期待されたとしても、ヒトプラセンタをほかの製品に転用することは、現段階では認められていません。

アビストア製品が「豚プラセンタ」を用いる理由

豚は1回の出産に10頭くらい生みます。1頭につき1つの胎盤があるため、豚からはたくさんの胎盤を得ることができ、安定供給が可能。サイズ的にも遺伝子的にも人に一番近いと考えられています。豚は臓器移植などでも使われることがあるように、人間の生体に近く人と非常に相性のいい動物といえるでしょう。

ただ、プラセンタを抽出する場合、有害な菌がある環境で育った豚は殺菌処理が必要になり、その過程で有効成分が大きく減少してしまいがちです。それでも、生まれる前から飼育段階まで有害なウィルスや菌のない環境を徹底している「SPF(Specific Pathogen Free)豚」であれば、過度な加熱殺菌の必要がないため、 有効成分を損なうことなく安全にプラセンタを抽出できます。

日本SPF豚協会が定めた衛生管理法を用いた有害なウィルスや菌の無い環境下で、殺菌された水や飼料で飼育され、厳しい基準を通過した豚だけがSPF豚と認定されます。動物の中でもストレスに強い豚だけが、このように徹底した環境で飼育することが可能なのです。

プラセンタ製品を見極めよう

プラセンタの種類にはいくつかあります。しかし、「プラセンタ」と謳っているだけでプラセンタではない製品に注意! 海洋性・植物性のプラセンタ製品もありますが、胎盤は哺乳類の中でも一部の動物しか持たないとされており、厳密には海洋性・植物性のプラセンタは存在しません。

もし、プラセンタ製品をお買い求めならば、自分に相応しいものはどれなのか、見極めることが大切です。“なんとなく”で選ぶのではなく、根拠をもってプラセンタ製品を選択しましょう。

(ライター:南條祐弥)

SNSでもご購読できます。