抗酸化力を高める食事とは?

「活性酸素」は、「スーパーオキシド」「過酸化水素」「ヒドロキシラジカル」「一重項酸素」などの総称です。呼吸するだけで活性酸素は作り出されており、呼吸で取り込まれた酸素の約2%は活性酸素になるとされています。活性酸素は生きている限りゼロにはできません。しかし、過剰な活性酸素は好ましくありません。

酸化反応を防ぐためには、抵抗力・抗酸化力を高めることが大切です。今回は、プラセンタ特別講演会で紹介された「抗酸化力を高める食事」についてお伝えします。

 

抗酸化力を高めるために

食品の有効成分中の抗酸化力を測る方法に、アメリカの農務省が開発した抗酸化力評価法「オーラック(ORAC)」があります。活性酸素をどのくらい減らすことができるのかを数値化しており、以前は抗酸化力が高い食品の一覧を掲載していましたが、最近になって掲載しなくなりました。オーラックで評価された抗酸化力が、必ずしも体内で反映されていないのでは? という疑念が生まれたためです。

一時期、水素水が流行している時期がありましたが、誇大広告として消費者庁から指摘されました。たしかに、化学反応では活性酸素と水素が結びつくと無害な水になりますが、水素水を飲んだからといって、体の活性酸素が無害になるのかは分からないのが実情です。

抗酸化力を高める栄養素

抗酸化力を高める栄養素として、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、ポリフェノール、カテキン、フラボノイド、セサミンが挙げられます。「スカベンジャー(scavenger)」は、廃品回収業者という意味を持ち、活性酸素を片付ける役割をもちます。スカベンジャーは活性酸素と結びつくことで、活性酸素の発生を抑えたり暴走したりするのを防ぎます。さらにダメージを受けた箇所を治すという働きがあります。

スカベンジャーとして働く栄養素には、ビタミン(A、C、E)、ファイトケミカル(ポリフェノール、カロテノイド、カテキンなど)、酵素(SOD、グルタチオン、カタラーゼなど)があります。

 

7色の野菜を食べる重要性

抗酸化力の高い栄養素やスカベンジャーとして働く栄養素を摂取することを考えた場合、以前紹介したことのある7色の野菜を食べることが大切であることが分かります。7色の野菜を食べれば、活性酸素を除くために必要なものをカバーすることができます。

活性酸素に関しては、まだ決定的な結論に行きついておらず、言い切ることができませんが、危険なものから避けることが、改善に繋がるでしょう。

(ライター:南條祐弥)

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